前編(記事はコチラ!)では、株式会社アルムンドや「ここだけワイン」についてをお聞きしました。中編では、今野さんが開催しているセミナーやワインの仕事に就かれるまでの経緯などを聞いています。
Q.今野さんはセミナーを多く開催されていますね。
「以前からワインに関わる話をしてほしいという要望もあったので、ECショップでワインを販売するだけではなく、今では全国でワインセミナーを開いています。ただ、レストランのソムリエさんなどもワインセミナーを開催していると思うのですが、そういった方と私では大きな違いがあります。」
Q.大きな違いというと?
「まず、ワイン会が開催されることを調べ、自腹で行くような方の場合、恐らくよっぽどワインがお好きなんだと思うんです。
自分も行きますが、私の場合は、ワインに興味が無いとか、ワインに興味があるけれどもよくわからない、という方たちに“ワインは面白い”と、知っていただくセミナーをしています。
だから、ウンチクはナシです。ワインのエンタメ会社として、幅広い方にワインを知ってもらうような内容のセミナーを開催しています。」
Q.どのような内容のセミナーなのでしょうか?
「さまざまな内容のものがありますが、東京都や長野県などの自治体や、大手企業さまなどとタイアップをしたセミナーを開催しています。
例えば、ヤマハさんなどは、もうすでに企業にファンが付いていますよね。以前、クラシックの音楽の生演奏にワインセミナーを組み合わせたものを開催したのですが、大変好評でした。
皆、ワインを嫌いなわけではなく、難しそうとか面倒くさそうと、敬遠されているだけなんです。
セミナーを通して売り上げを立たせる、ということではなく、私がインポーターとして経験してきてた話や、海外の生産者に会った時の写真、ワイン留学した時の写真を紹介するなど、私自身の活動についてを伝えています。
高額なレストランでのセミナーができるソムリエさんは、多くいらっしゃいます。だからこそ、私でしか伝えられないことを、ワインセミナーを通じて伝えている、という感じです。」
Q.そもそも何でワインをお仕事にしようと思われたのでしょうか?
「大学在学中にワインに触れる機会があったので、当時から“ちょっとワインが好きな大学生”ではありました。
卒業後は製薬会社や大手の人材紹介会社に勤めていたのですが、そこでも仕事柄ワインに触れる機会が多く、さらにシャンパンBARが流行っていたこともあってシャンパーニュにはハマりましたね。
とはいえ、ワインとは別業態ですし、”ワインを仕事にしよう”という意識は当時はありませんでした。」
Q.別のお仕事をされていたんですね。
「当時、充実はしていたのですがとても忙しく、自分の時間もなかなか持てなかったので、仕事を一旦辞めた後、次の転職先を探すまでは休みたかったんです。
そんな時、英語だけでも話せるようになりたいと思って、勢いでニュージーランドに語学留学をしたんですよ。ただ、その語学学校が自分にはどうしても合わず、通い始めて一週間後に旅行に行ってしまったんです。
留学先がクライストチャーチだったんですが冬なので寒く、北を目指したら、マールボロに辿り着いたんです。
一応、少しはワインを知っていたので、“ソーヴィニヨン・ブランで有名なところだ!”ということで降り立ち、ワイナリーに立ち寄ってみたんです。当時は、ワイナリーを見学できるなんて思っていなかったんで、衝撃的でした。
その後、ネルソンにも行き、そこでもワイナリーを見学して回りました。個人的には、ネルソンの方が好きでしたね。」
Q.ニュージーランドの経験からワインのお仕事に?
「いえ、ニュージーランドでは、その後にバックパッカーが泊まるような激安ホテルでエクスチェンジワーク(※)をさせてもらい、午前中は働き、午後はとにかくワイナリーを回る生活を続けただけでした。その後、お金をもう一度貯めて、ボルドーに行ったんです。」
※給料の代わりに宿泊と食事などを提供してもらう労働形態
Q.ワインと言えば、ボルドーだと?
「当時は、まだミーハーでしたので…。
ボルドーにはワイン関係のお仕事で日本から来ている方も多くいたのでお話をさせてもらったり、充実した時間を過ごせました。
ただ、ちょっと雨が多かったため、ピレネー山脈を超えてスペインに入国したんです。滞在許可証は取っていたんで、EU内はどこでも行くことができました。
その後、ヘレスに行ってシェリーを学び、スペインのバルセロナに滞在しました。
何となく、日本には帰りたくないな…と思っていた頃、友人から『ブリュット・レアル』をもらって飲んだら、とにかく美味しい。ワイナリーに行くと、そのワインがスペイン王室の王女の結婚式に選ばれたというスゴいワインだった、ということを知って感激したんです。」
Q.カバに魅せられたんですね。
「素晴らしいワインですが、当時はまだカバについては日本ではさほど知られていない状況でしたし、『ブリュット・レアル』もほとんどの日本人が知らない。
なら、自分でこのカバを伝えようと思い、日本に入っていない高級カバ専門路線のインポーター、『アルムンド』を立ち上げたんです。
これが、ワインを本格的に仕事にするきっかけでしたね。」
中編まとめ
中編では、今野さんのセミナー、またはワインを仕事にするキッカケなどを聞きました。
とにかく、思い立ったら即行動、という今野さんのフットワークの軽さに驚きました。
英語やフランス語、スペイン語がまだ流暢ではない頃、ワインがあれば、自然と人と仲良くなれるという、海外での体験を多くの人に伝えたいと語っていました。
自分がワインに助けられたからこそ、ワインに恩返しがしたい。そんな人が選ぶワインだからこそ、信頼できるのでしょう。
さて、後編では今野さんの愛するワイン、さらには今後の展望についてを聞いています。お楽しみに!
◆ご参考◆
日本ではここでしか手に入らないワイン『ここだけワイン』 ホームページ
株式会社アルムンド ホームページ
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ナカゴミ コウイチ
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。
