知る人ぞ知る湯河原の名店「なだや」!酒屋から見たワインについて突撃インタビュー!|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

突撃リポート

知る人ぞ知る湯河原の名店「なだや」!酒屋から見たワインについて突撃インタビュー!

    
観光地として人気の温泉街、湯河原。そんな湯河原に、著名人なども訪れるという、知る人ぞ知る酒屋があります。それが、「なだや」さん。

選りすぐりの日本酒や焼酎などはもちろん、とにかくワインファンが泣いて喜ぶ垂涎の品も多くセラーに取り揃えている、宝石箱のような名店です。

今回、ワインにも並々ならぬこだわりを持っている、「なだや」のご主人 丸塚隆道さんと、鎌倉ビール醸造株式会社の醸造アドバイザー、さらにソムリエである息子さんの良磨さんに、「酒屋さんから見た、ワイン」について疑問をぶつけてみました。

ワインファン、酒ファン必見のインタビューです。ぜひ、楽しみながらお読みください。

Q.なだやには、どのようなワインが揃えられているのでしょうか。

8621「ワインは国産は置いておらず、フランスとイタリアがメインです。ただし、ボルドーなどは新しいヴィンテージを置いていないですね。若いとまだ酸が強く、口が尖るような感じがします。
だから、“どこどの金賞受賞ワインを3本セットで数千円”といったありがちなものは置いていません。」
 
 
 
 

Q.ワインセラーには有名銘柄のワインも多く揃えられていますが?

「うちに来るお客さまの場合、例えば3本で1万円、ピノ・ノワールが好きだからブルゴーニュの有銘柄を3本まとめて…というような方が多いんです。先日も、マルゴーやバタール・モンラッシェなどをまとめて購入された方がいました。

とはいえ、数千円から数万円まで、お客さまのご要望、ご予算に合わせておすすめしますので、お気軽にお声がけください。」

Q.常に素晴らしいワインを揃えている理由はなぜでしょうか?

「旅館街の酒屋ですので、注文に合わせてお酒を切らせないんです。例えば、レストランでフランス料理をやっている場所に卸していますが、メニューにコルトン・シャルルマーニュなどを入れていますからね。

ひとつの宴会で、ヴォーヌ・ロマネが5本出ることもありますし、先日なんて“山崎の18年を3本持ってきてくれ!”と、声がかかったほどです。さすがに、3本もありませんが。ただ、こういったお客さまたちが、“こういった酒が揃ってるなら帰りに買ってみるか”という感じで、当店に立ち寄ってくれたりもしますよ。」

Q.なぜ、日本ワインを仕入れられていないのでしょうか?

8630「まだ単価が高いですね。味と単価とのバランスが…まだ、難しい。

例えば、フランスのロワール地方のミュスカデは1,300円くらいで購入できますが、品質の良い甲州ではそういうわけにはいきません。シャブリも2,000円前後で購入できますが、日本産のシャルドネなんてとても無理でしょう。

そもそも、今はまだ日本の場合は95%が輸入ワインで5%くらい国産のワインがブレンドしたら、『国産』と名乗れてしまいます。安いワインを仕入れることもできるでしょうが、信頼問題にも関わってきますからね。」
  

Q.日本ワインブームではありますが…。

「決して日本ワインを毛嫌いしているわけではなく、日本ワイン自体はずっと昔から飲み続けてきてはいます。ただ、例えば甲州ワインですが、山梨県の一升瓶のブドウ酒との大きな差をまだ感じられません。生産者の皆さまが努力なさっていることは、百も承知です。
まぁ、甲州種自体が食べるブドウですし、あの独特のぬるっとした香りがちょっと…。」
   

Q.そこもひとつのこだわりですね。

「日本のワインにこだわりがあるから、購入するという方がいてもいいと思います。ただ、『なだや』はお酒のセレクトショップですので、スーパーマーケットなどのように全てをカバーする必要は無いと思っています。

僕の感覚で仕入れている、というのがこのお店の強みですので、僕の選んだお酒のラインナップはこうだ、ということで見ていただくのがよろしいかと思います。」

Q.やはり素晴らしいワインを飲んで来ているという経験があるのでしょうか?

8631「日本ワインについていろいろと意見しましたが、僕らは飲み頃になった美味しいワインを多く飲めた世代なんですよ。先日も、息子の生まれ年の『シャトー・ムートン・ロートシルト』を開けました。

1961年、66年のヴィンテージのものや、40年寝かせた貴腐ワインなども飲んだ経験があります。僕らは、20年、30年、40年とそのワインの“飲み頃”の味を多く飲んできている、という経験則があるんですね。

良い熟成を経たワインは、コルクを抜いたら部屋中に素晴らしい香りが充満するほどです。新しいボルドーを仕入れないともお伝えしましたが、その年にできたワインをその年に飲むのではまだ、美味しくないということなんです。」

Q.僕らの世代にとっては本当に羨ましいお話です。

8624「今、ワインはとても高くなりました。ロマネ・コンティなんかも、昔は有名デパートで8万円でしたから。ムートンやラトゥールなどの5大シャトーも1万円しなかった時代ですし、『失楽園』が放映される前なんて、マルゴーは卸値で6900円くらいでしたから。

今は、売値が7万円以上と10倍以上になっていますし、バブル以前は1万円前後で素晴らしい名立たる銘醸ワインが飲めていた時代なんですよ。」

Q.ちなみに、酒屋さんでワインを欲しい場合、

(Q.続き)どのように声をかければよろしいでしょうか?

「うちの場合は、何を食べ合わせたいか、ということを聞きますね。例えば、お刺身が食べたい場合、共猪口(ともちょこ)という醤油を入れる小さな猪口があると思いますが、あそこに少しだけワインを垂らして合わせることをおすすめしています。

箸の先に少しつけて、本当に一滴だけです。これだけで、そのワインとマリアージュするんですよ。それをやる前とやった前で比べてみてください。」

Q.なだやさんに行きたいけれども、少し勇気がいる…という方にひとこと

8628「初見の方であっても、お気軽にご相談いただければ、お客さまのご要望に合わせた提案いたします。欲しいお酒、今夜食べる予定の食事に合うお酒など、ご予算に合わせてお選びしますよ。

また、買いたいものが無ければ、無理に購入せずとも大丈夫です。また、試飲スペースがあるので、気になった日本酒があったらお声がけください。1,080円で提供している、純米大吟醸が1種類、純米吟醸などが2種類の計3種類の飲み比べセットなんかもあります。

季節のお酒なども揃えていますし、気軽なお気持ちでふらっと立ち寄っていただければ幸いです。」

取材を終えて

8623なだやさんの今ある店鋪ですが、昔は信用金庫だったそうで、もともと金庫だった場所がワインセラーとして活用されています。そのため、ワインも常に最高の状態で保存されており、ヴィンテージの古いものでも安心して購入できます。

そのほか、店内の試飲スペースには今では貴重な家財道具、食器などもあり、ちょっとした骨董品マニアの人も楽しめてしまうかもしれません。

お気に入りの酒屋を見つけたい、と思っている方はぜひ、「なだや」にまで足を伸ばしてみてください。必ず、最高のお酒に出会えるはずです。

詳細情報

【有限会社 灘屋】
・電 話 :0465-63-2011
・住 所 :神奈川県足柄下郡湯河原町宮上475-7
・営業時間: 9:00~19:00(L.O.19:00)
・定休日 :木曜日
   
    

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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