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突撃リポート

【インタビュー】前編:日本ワインの未来を担う最重要ワイナリー誕生!『MGVsワイナリー』の徹底したテロワールへのこだわりを聞く!

      
2017年4月23日、日本ワインの銘醸地である山梨県に、またひとつ素晴らしいワイナリーが誕生しました。それが、「MGVs(マグヴィス)ワイナリー」。美術館と見間違えるほど洗練された外装のワイナリー、周辺に広がるブドウ畑、広い空と雄大な山々…。ワイナリーの入り口に立ったその瞬間、このコントラストの美しさにワインファンでなくとも、立ち止まってしまうはずです。

さて、実はこのMGVsワイナリーなのですが、半導体製造を手がける塩山製作所のPDMセンターをリノベーションしてつくられたワイナリーなのだそうです。さらに、聞くところによると「テロワールへの強いこだわりを持ってワインをつくっている」とか、「クリエイティブディレクターを迎え入れている」など、とにかく注目ポイントが多過ぎる、個人的にも気になるワイナリーでした。

そこで今回、現地へと向かい、MGVsワイナリー 代表取締役の松坂浩志さんにワイン事業参入の経緯、テロワールへの思い、目指すワインづくりなどを聞いてきました。ワインファンの方、必読です!

Q.なぜ、ワインの業界に参入したのでしょうか?

7102「もともと、私はブドウ農家の出身なんです。このワイナリー周辺のブドウ畑は実家のブドウ園で、以前から委託醸造という形で甲州ブドウを使用したワインをつくっていたんです。

あと、ずいぶん昔なのですが実家が共同醸造権をもっていたので、私の父親の代の頃には自宅でワインをつくれたんです。私にとってブドウ栽培やワインは、昔から馴染みのある存在だったんです。」

(Photo by Junya Igarashi)

Q.半導体事業からワイナリーへと転身したとお伺いしていますが?

「MGVsワイナリーがあるこの場所は、もとは電子部品の工場だったんです。15年くらい前にこの場所に工場を建ててから、約5,6年間ほどカラー液晶のコントロール用のICチップの生産をしていました。

日本の携帯電話のカラー化に乗っ取って、月産で1,500万個から1,600万個ほどの莫大な数を生産していました。しかし、5年ほど経ってくると台湾がこの業界に進出してくるようになり、台湾との戦いではコスト的に合わないということで液晶のコントロール用のICチップの生産事業はやめてしまったんです。」

Q.その間は工場を閉鎖していたのですか?

「一旦工場を閉鎖して、1年間ほど稼働を止めていたんです。その時にひとつ考えたのが、国際的な競争…ワールドワイドな競争にならない分野で勝負しなければいけないということでした。半導体や電子部品業界はまさに国際競争の分野ですし、コストの安いところ、安いところに向かっていってしまいます。

私たちも中国で製造をしようと考えたことがあったのですが、台湾は国を挙げてこの分野に力を入れてきていましたので、どうしても敵わないんですね。」

Q.ワールドワイドな競争に入り込まない分野が、「ワイン」だったのですね。

7099「まず、ワールドワイドな競争に入り込まないということで、“地域”に目を向けることにしました。ここの地域は、この場所以外に代替えがありませんよね。それが、MGVsワイナリーのコンセプトにもある、“テロワールを大切にする”という部分に通じているんです。

仮に他国のワインとこの場所でつくられるワインを比べても、地域が違うのですから、全く同じ商品にはなりません。しっかりと手をかけて自分たちの製品をつくることで、世界にも通用するものが育てられるということです。」

Q.しかし、ワイン以外の産業も考えられたのではないでしょうか?

7103「山梨県のこれからの物流量を調査したのですが、これからは減っていく…という見方が強かったんです。元々、大手からの仕事を請け負う下請けとして稼働していたのですが、物流量が減れば将来的に仕事が自然に減っていきます。

工場を閉鎖していた時期、この場所で事業をすることの利点など、立地などから多角的に調べてみたんです。まず、利点は『インターから近い」『景観が良い』などですが、欠点は『工業生産事業をするにあたって山梨県では、将来的に事業の拡大が難しい』『この場所は工業団地では無いので畑の中に大規模工場をつくるのは難しい』といった部分が出てきたんです。

やはり、この景観を活かすものとなった時に、地元の産業として「『ワイン製造」と『有料老人ホーム」の2つのアイデアが出てきたんです。」

Q.さまざまなアイデアを考えられていたのですね。

7100「いろいろと考えはしましたが、最終的には自分の好きな方をやろうと、思ったんです。冒頭お伝えした通り、ワインに昔から親しんできましたし、ブドウも栽培していました。

また、ワイナリーとしてというよりは、ワインブドウをつくるための農家として考えたワインをつくれるのではないか、とも思ったんです。そのため、MGVsワイナリーでは、畑を主体に考えたワインづくりを行っています。

とはいえ、醸造面においても畑そのものの味わいを醸造できなければいけません。そのため、醸造家と栽培家、ブドウ畑を私が総合的にプロデュースしていく、という考え方へまとまっていったんです。また、販売面でもプロの販売のメンバーがいます。この3部門を主体に、MGVsワイナリーとして事業を続けていこうと考えていますね。」

前編まとめ

半導体事業からワインという方向転換は、正直無理があるのでは?と思っていたのですが、松坂さん自体がもともと「ブドウとワインのプロ」であったのであれば、納得です。
次回は、テロワールへのこだわり、そして醸造法へのこだわりを聞いていきます!
   
   

中編はコチラ
後編はコチラ

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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