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突撃リポート

ワインと香りの関係性は楽しみながら覚えよう!東原和成教授にインタビュー!

    
「鮮烈なプラムやブラックベリー、加熱したジャムの香りや、ビターなチョコレートの香りも感じる…」。グラスに鼻を近づけ、ワインからさまざまな香りを導き出しているソムリエの姿に憧れている方も多いと思います。

さて、ここで疑問なのが、ワインはブドウからできているのに、どうして果物や野菜、花、スパイスなど、さまざまな香りがするのかというところです。もし、香りがブドウの香りだけだったら楽なのに…と思うかもしれません。とはいえ、香りが単調なワインだった場合、私たちは美味しく感じないのでしょうか?

今回、ワインと香りについてのさまざまな疑問を解決すべく、東京大学大学院農学生命科学研究科 生物化学研究室 東原和成教授に「ワインと香りの関係性」についてのお話を伺ってきました。

Q.ワインや食べ物にとって、「香り」はどのような

(Q続き)役割を持っているのでしょうか?

「ワインや食べ物にとって、香りは重要ですよ。香りが無いと“美味しさ”を感じとることは難しく、味は素っ気なく感じます。味覚というのは香りに強く影響を受けていることを理解しておいてください。

ワインの味や料理の味などの“味わい”というものを、多くの方は舌だけで感じていると思い違いしています。美味しい、不味いなど、こういった味わいを感じとっている場所は、舌だけでなく鼻もなんですよ。もし、鼻をつまんで料理を食べたら、味気なく感じるはずですよ」

Q.ということは、ワインにとって香りは非常に大切なポイントなんですね

5500「鼻をつまみ、目隠しで白ワインと赤ワインを飲むと、どちらが白でどちらが赤か分からないようなことが起こります。香りがいかに大事かわかります。

もちろん、フルボディの赤ワインとシャープな白ワインでは、渋みなどの味が違うので分かるかもしれませんが、似たテイストの赤と白ワインなら難しいでしょう。

鼻をつまんでいた指先を離した瞬間、ふわっと香りが鼻のなかに広がり、味わいがはっきりとして答えが分かるんです」

Q.赤ワインや白ワインに含まれている代表的な香り成分とはなんでしょうか?

5484「品種によって特性はありますが、ブドウが栽培されている環境や醸造法によっても変わってきますので、“赤ワインに特徴的な香り成分はこれだ!”とは、言い切れません。ワインは、さまざまな香りの成分を含んでおり、そのひとつひとつの香りが合わさることで、イチゴやカシスっぽい香りなどが生まれます。

たとえば、パイナップルの香りと表現されるワインの香りがありますが、複数の香りが合わさった時にパイナップルの香りが出現し、それを飲み手がパイナップルの香りと認識するわけです。とある外国の研究で発表されたデータによると、赤ワインにはおよそ500個、白ワインには700個の香りが検出されました。そのくらい、ワインには多くの香り成分が含まれているのです」

Q.ワインには良い香りだけでなく、「臭い」といわれる香りも

(Q続き)含まれていると聞きました。臭い香りは、ワインにとってどんな影響を与えるのでしょうか?

「臭い香りは、実はワインの香りには大切なんです。香水にも臭い香りが入っていますよ。臭い香りを感じなくても、気がつかない程度の臭い香りが存在することによって、ワインに複雑性と重厚感、奥ゆかしさがでるんです」

Q.自然派ワインなど、フェノレ(馬小屋臭)を感じやすいといわれています

(Q続き)が、何か特別なことがあるのでしょうか?

「馬小屋臭は、微生物が生み出す香りですので、多かれ少なかれ全てのワインに存在しています。野生酵母を使ったワインだといろいろな微生物が混入する可能性が高いので、馬小屋臭成分が突出することがありがちなだけです。

でも、自然派ワインだからといって、特別に馬小屋臭がするということではありません。ワインの造り方によって、数百という香りの比率が異なってきて、そのなかで何か突出した香りがあると、そのワインの特徴となるんです」

Q.ワインと料理のマリアージュを考えた時、香りは

5485(Q続き)重要な役割を持っていますか?

「当然、ワインと料理のなかに、似た構造の香り成分が含まれていれば、合わせやすいと思います。和牛のような甘い香りの肉であれば、樽香を利かせたもの。

両方ともラクトン系の香り成分が共通しています。白身魚やホタテなどに柑橘類を絞りかけた場合、白ワインも柑橘系の香りを持っているので相乗効果を生み出します。これはテルペン系の香り物質です。

ワインと料理の持つ香りの成分が、全く別のものだと合いにくいようですが、たまにその香りが合わさり、新たな香りを生み出すことで驚きのマリアージュとなることもあります」

Q.日本ワインは和食に合うとされていますが、香りによる

5489(Q続き)影響もあるのでしょうか?

「外国の料理に比べれば、和食の香りは優しい香りだと思います。日本ワインも優しい香りですので、和食の繊細な香りとぶつからず、寄り添い合うので合うんです。

ちなみに、輸入ワインに慣れている方のなかで“日本ワインはうすい”ということを言われる方もいますが、それが日本ワインの良さです。

飲みやすいといわれると、安っぽく聞こえますが、飲みやすいとは、美味しいっていうことですよね。生活で香りをふんだんに使う欧米人と違って、優しい香りと繊細な味わいが、日本人には合っているのです」

Q.ソムリエを目指す方も多く読まれていると思います。

5501(Q続き)ワインには香りが多くあると教えていただきましたが、プロソムリエのように「香り」を多く感じ取ることは鍛えることができるのでしょうか?
     
「はい、鍛えることはできます。まず、香りのパターンを知ることですね。香りを多く感じ取れる方は、ワインを嗅いだ時、記憶している香りのパターンを脳が情報として抽出できるんです。

私も著書になっていますが、『においと味わいの不思議―知ればもっとワインがおいしくなるー』という本にアロマホイール(ワインの香りを表現する言葉集)というものがついています。このアロマホイールに記載されている果物や野菜や花などは手に入りやすいものですので、まずそれらの香りを記憶することからはじめましょう。

そして、ワインを嗅いだ時、その香りの記憶を引き出す訓練をするんです。とはいえ、これらのアイテムを集めるのは大変という方もいるでしょう。今年の秋ですが、香りつきのカードが付属となった新しいワインの香りに関する本を出版します。そちらでも遊びながら確認してみてください。楽しみながらやると香りを覚えやすいです」

Q.貴重なお話をありがとうございました!

5488(Q続き)最後に、ワインの香りにこれまで強い関心を持っていなかったワインファンの方へ一言あればお聞かせください。

「香りを知ることで、ワインや料理の楽しみがぐっと広がると思います。そして、香りを表現する言葉のレパートリーが広がっていき、よりワインを美味しく楽しく飲めると思いますよ。

ちなみに、ワインの香りをひとつひとつ手探りで見つけていくのも良いですが、ワインの全体像を掴み、自分の好きな香りかどうかを認識することも大切です。“この香りは好きだな!”とか“ちょっと苦手かな…”など、自分の好みのワインを探す手がかりとなるはずです。

ワインは、ウンチクで飲むだけではなく、自分の感性で飲むのも楽しいですよね。また、癒されたい時にはこのワイン、元気になりたい時にはこのワイン、落ち込んだ時にはこのワインといったふうに、アロマテラピーのようにワインを使っても良いと思います。今、ワインアロマセラピーというものがあり、そちらにも協力しているので興味のある方はホームページを覗いてみてください」

マトメ

5477ワインの香りというと、香りを嗅ぎ分けられる才能を持ったプロのソムリエたちの特権…というイメージだったのですが、東原教授のお話を伺って、全く印象が変わりました。

まず、ワインには数百種類の香り成分があること、そのなかの組み合わせでいろいろな香りができていること、さらに味わいの大部分は香りが担っていること、自分の好みのワインを香りで選ぶ、ワインをアロマセラピーのように使うなど、興味深いお話が満載でした。

難しいウンチクでガチガチに固められたワインの世界ではなく、自分の感性でワインを選び、その日の気分に合わせてワインを楽しむ。ワインの香りについて知ることで、またひとつ、新しいワインの楽しみ方が広がるはずですよ
   

CAVE THE SELECT
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【参考】
・東原和成教授プロフィールは、こちらのページ

・ワインアロマセラピー HP

・著書『においと味わいの不思議―知ればもっとワインがおいしくなるー』
       
 
        

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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