酔っ払いのチーズ!?フォルマッジオ・ウブリアーコ|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

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酔っ払いのチーズ!?フォルマッジオ・ウブリアーコ

     
イタリアワインに合うチーズと言えば、定番のパルミジャーノチーズから、トスカーナの羊のチーズ、ペコリーノ・ディ・ピエンツァ、ゴルゴンゾーラも何とも言えないクセがいい、と次々に思い付きます。

その中でもぜひ、試してほしいのが、その名も「酔っ払いのチーズ」です。ブドウの搾りかすの廃物利用という、何ともエコロジーな魅力的のチーズについて、ご紹介します。

イタリアは、チーズもワインも種類が豊富!

4911イタリアには各地で、それぞれのチーズ作りの伝統があります。羊の放牧がメインな中部イタリア、サルデニア島は羊のチーズ、南イタリアには独特の水牛のチーズ、そして、北に行くと牛乳のチーズ、それからヤギのチーズの地方もあります。南北に細長いイタリア半島は、それぞれの気候や風土の違いを利用して、独自の食文化を作り上げてきました。その結果、北のチーズには、やっぱり北のワインが合う、というように、地方ごとの食文化がとっても豊かなのです。

それぞれチーズの味は違っても、イタリア国中あちこちで作られているのが「酔っ払いのチーズ」。チーズをブドウの搾りかすに包んで、じっくりと発酵させるのです。出来上がったお味は、というと、もちろん、ほんのりブドウの香りが立ち上り、しかもまろやかでフルーティさが加わった何とも言えないチーズです。要するに、ワインが欲しくなってしまうチーズです。

(Photo:https://flic.kr/p/d9SMa7 ,By La Casara Caseificio)

酔っ払いチーズ誕生の秘話

4913どうして、こういうチーズができたかというと、それぞれ諸説あるのですが、第一次世界大戦の時の偶然から生まれた産物、という話。イタリアの北東部にあるフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア地方は、戦争中、オーストリア・ハンガリー帝国に占領され、大量の食糧を軍部に提供しなくてはいけなくなったそうです。当然、提供したくない農民たちが考えたのが、モスト(甘いブドウシロップ)を作るために置いてあったブドウの搾りかすの中に、チーズをくるみ隠しました。この偶然の行為が、現在の特産の誕生を助けることになったのですから、本当にわからないものですね。

ところが、実は、このチーズにはもう一ついわれがあって、第一次世界大戦よりはるかに昔からの方法だったという説。もともと、チーズを形成した後、熟成させている間に、チーズの表面が傷まないように、オイルを塗って保護します。ところが、オイルは高級品だったために、工夫を重ねてたどり着いたのがブドウかす。ちょうどワインを仕込んだ後の残りのブドウかすでくるむと、清潔に表面を磨け、しかも柔らかく美味しくなる、ということがわかっていたというのです。

事の真偽は、今となっては謎のままですが、ワインにするためにブドウを絞った後、さらにチーズまでおいしくできるなんて、ブドウはやっぱりパワーが満ち溢れた生命の木と、尊重されていたのがわかるようなエピソードですね。搾りかすを煮詰めて作ったモストという甘いブドウシロップだって、もともとはブドウの廃品利用。特に昔の農民にとって、ワインだけで捨ててしまうには惜しいくらい、大切に使っていたのですね。

美しい山で育ったフリウリ地方のDOPチーズ

4912ちなみに、このご紹介したフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の「酔っ払いのチーズ、FORMAGGIO UBRIACO(フォルマッジョ・ウブリアーコ)」は、ハイジが住んでいたようなアルプスのアジアーゴ村で作られる、牛乳100%のアジアーゴ・チーズです。もしくは、モンターシオ・チーズと言う、これもこの地方のデリケートな味の牛乳チーズをブドウかすで熟成させるのです。

アジアーゴも、モンターシオも、DOP(保護指定原産地呼称)認定されている立派なチーズで、きれいな山の空気を吸って育った牛から作られただけあって品質は保証済み。こんな優秀なチーズをさらに60日~24か月酔っぱらわせて発酵させるとあれば、おいしいはずですね。ぜひ、機会を見つけてお味見ください。

その他の地方でも、ブドウかす熟成チーズは、たいてい小規模農家によって手間暇かけて作られているのでしっかりと酔っぱらっていて、優しいブドウの風味とともに、ワインにピッタリです。

サラミまで酔っ払い

4971さらにに嬉しいことに、「酔っ払いのサラミ」というのもあるのです。イタリアは、小さなウインナーソーセージを乾燥させたようなものを、「サラミ」といいます。ただでさえおいしいサラミが酔っぱらうと、やっぱりマイルドにしかも上品な味に変身するのです。
口に入れた瞬間ほんのりとしたワインの風味とともに、野性味が薄れたサラミの濃厚な味わいが、ワインにピッタリなのは当然ですよね。

実はこのサラミ、ローマのカンポ・ディ・フィオリにあるサラミ専門店で手に入ります。日本に比べ驚くほどに安いうえに、ほんの少量でも買えるのです。ローマへのご旅行の予定がある方、サラミ類は日本へ持ち込めませんが、滞在中にホテルで食前酒のおつまみというふうにも楽しめます。機会があればぜひ、お試しください。
    
     
       

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「酔っ払いのチーズ」と同じ地域の生産者の赤ワイン。ヴェネトの固有品種で造られるこのワインは、軽すぎず、重すぎず、柔らかい飲み口のため、どんな料理にも合わせやすいワインです。普段のワインとして、またはカジュアルパーティーなどで大活躍間違いなしのワインです!
    
      
・ヴィッラ・アンナベルタ カナヤ・ロッソ セレツィオーネ・ゴールド

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味わいはまさにアマローネ!指定外の地域で作られているためアマローネと名乗れないお買い得なワインです。アマローネとはイタリア・ヴェネト州の「ヴァルポリチェッラ地域」で作られる高級ワインのひとつ。しかし、品質においてはまったく引けを取らない味わいです。ぜひ、このチーズと合わせてお試しくださいね。
    
     
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KOKO
イタリア料理、ワイン好きが高じてイタリアへ留学し、語学、美術史の勉強の傍ら、イタリア家庭料理の研鑽に励む。 その後、妊娠・出産を通し、食の大切さを再認識し、スローフードライフを実践中。現在は2人の子どもの子育てのかたわら、観光業、翻訳業、そしてイタリアの食文化、ライフスタイルについても情報発信中。ローマ発のワイナリー訪問など、個人のご旅行のお手伝いもいたします。(詳細は「ローマ通信」http://romagranato.blog.jp/ にて)

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