こんにちは。ブルゴーニュ在住のワイン好きライター、KIKIです。
10月、ブルゴーニュのブドウ畑は紅葉真っ盛りです。肌寒い日が続くし、雨が降ったり、霧が出たりと決していいお天気の日は多くありませんが、たまに太陽が顔を出したときの輝くブドウ畑は、本当に素晴らしいです。
美し過ぎるグラデーション-黄金のブドウ畑
まるで色鉛筆で塗ったかのようなグラデーションに見入ってしまいます。コート・ドール(黄金の丘)と呼びたくなる気持ちがよくわかる光景だと思いませんか。
光のコンディションがベストではなかったため、写真ではなかなかこの美しさを伝えきれないのが残念ですが、秋のブドウ畑は本当に一見の価値があります。この時期にフランス旅行をされるなら、ぜひブルゴーニュまで足を延ばしてみてください。
日中でも気温があまり上がらないので防寒着が必須ですが、写真を撮ったり、スケッチをしたり、ただのんびりとブドウ畑を歩くのもなかなか楽しいものですよ。
パリでは見ない!珍しい標識
さて今日は、そんな美しいブドウ畑の散策中に見つけたこの標識をご紹介したいと思います。ヒントは、森があって動物がいる田舎ならではです。パリの中心地では絶対に見かけないと思います。
答えは「狩猟解禁中要注意」。
銃を持った物騒な人型の影絵と何とも言えない微妙な表情の犬が実にフランスらしいです。地方によって多少ズレがあるようですが、ブルゴーニュでは9月の末頃に今シーズンの狩猟が解禁になり、このまま来年の2月頃まで続きます。
狩猟解禁中の週末になると、それらしい車が道路の脇に何台も止まっているし、スーパーなどで猟師っぽい格好をした人を見かけることもあるので、田舎に住むフランス人にとって狩猟は生活の一部なのだということを実感します。
秋の味覚-ジビエ
このように狩猟がごく一般的であるフランスだからこそ味わえる秋の味覚が「ジビエ」です。
ジビエという言葉は日本でも狩猟肉という意味で使われているようようなので耳にしたことがある方も多いでしょう。
元々は猟師さんが捕った野生の鳥や獣を指す言葉ですが、最近では完全に野生ではなく、ある程度飼育してから野放しにしたものや、生きたまま捕まえて餌付けしたものもジビエと呼んでいるようです。
フランスでも特別な食材
ジビエというフランス語を採用するくらいですから、フランス人はジビエを日常的に食べていると思われているかもしれませんが、実際にはそれほど一般的に流通しているわけではありません。
野生の鳥や獣の肉ですから数量に限りがある上、値段も高いし、買えるお店も限られているからです。私の周りのフランス人に聞いてみると、ジビエは年に2,3回食べるかどうか、という感じだそうです。
普段は専門店に行かないと手に入りませんが、クリスマスやお正月になるとスーパーで売られることもあるので、ジビエがフランス人にとって特別な日に食べる高級食材であるということは確かだと思います。
ワインのためにジビエを食す!
私は好奇心旺盛な方なので、これまでキジ、山鳩、野うさぎ、猪、鹿と一通り食べてみました。
正直なところ、ものすごく美味しいとか感動する味ではないです。クセがあるという意味では、ジビエよりもマトン(羊肉)の方が味も匂いも強いと思います。
ということで、個人的にジビエはどうしても食べたくなる食材ではないのですが、それでも年に一度か二度食べているのは、何を隠そうワインのせいです。ワインに詳しい方ならわかっていただけると思います。
どうしてもジビエしか合わないワインや、このワインのポテンシャルを最大限に引き出す料理はジビエしかない、というようなワインが存在するんですよね。どっしりしたフルボディーの赤で長期熟成タイプの比較的高級なワインに多いと思います。
もし「ジビエとの相性が抜群のワイン」をみつけたら、ぜひ猪肉や鹿肉のお料理に挑戦してみてください。木々が色づく時期になるとワインを愛するフランス人がジビエを心待ちにする理由がわかるようになるかもしれませんよ。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて有難うございました。
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