こんにちは。ブルゴーニュ在住のワイン好きライター、KIKIです。
9月のフランスと言えば、ワイン産地の各地方でブドウの収穫が行われる季節です。
2015年の8月は日本に帰省していたので、だんだん熟してゆくブドウの成長過程をじっくり見守ることが出来なかったのですが、8月末にフランスに戻ってきてびっくり、なんとすでにブドウの収穫(VENDANGES)が始まっていると言うではありませんか。
毎年ブドウの収穫の話題はニュースに取り上げられるので、インターネットで調べてみると、2015年のブドウの収穫は例年よりも早く始まったということがわかりました。
慌てて撮影しに行った収穫される前のブドウの写真がこちら。
確かにすでにぷりぷりで美味しそうです。
まずはクレモン用ブドウから収穫!!
私の住む南ブルゴーニュのコート・シャロネーズでは、昨年、9月10日から「クレモン」と呼ばれる発泡性ワイン用のブドウの収穫が始まりました。
今年は8月27日前後から始めたところが多かったようなので2014年に比べて約2週間ほど早まっています。
ブルゴーニュ地方に限らず、ソーテルヌでは約10日、アルデッシュ地方では1週間程度早まっているというニュースを見つけました。
ブドウ畑で働く人からすると、ブドウの収穫が早まるということは、その分夏のバカンスが短くなるということなので、ちょっと不服そうですが、それでも1年の集大成であるブドウの収穫(VENDANGES)がブドウ栽培農家さんやワイン醸造家さんにとって一番やりがいのある仕事なのは間違いないと思います。
気候により毎年変わる収穫の時期
ブドウの収穫時期はその年の気温や降雨量などによって決まります。
2015年のブドウの収穫がフランス全体で早くなっているのは、7月の猛暑と関係があるようです。
歴史的猛暑と呼ばれる2003年ほどではありませんが、どちらかと言うと冷夏だった2013年、2014年と比べて今年は確かに暑かったです。
夏らしい暑さを経て収穫されたブドウで造られる2015年のワインがどのような出来になるのか本当に楽しみです。
2015年ワイン用ブドウの質は??
ワイン醸造家さんや評論家さんが出している2015年のブドウについてのコメントを見ると、収穫量は多くないけれど、ブドウの質は悪くないという意見が多いようです。
一般的には暑い年に造られたワインは飲み頃のピークを迎えるのが早いので、長い間熟成させずに、さっさと飲む方がよいという話をよく耳にします。
2015年のワインにこの話が当てはまるかどうかはわかりませんが、ブドウの産地に住む人たちはワインに詳しくなくても自然にその年の天気とワインの出来をリンクさせているので、さすがだなと思います。
ワインを飲む時にも、ブドウが収穫された年を確認しながら、条件反射のように「寒くて長袖のフリースが手放せなかった年のワインね」とか「天気がよくて食べきれないほどトマトが豊作だった年ね」という言い方をするので、フランスに来たばかりの頃は毎回感心していました。
気温だけじゃない-天気に左右されるブドウの質
ワインとブドウと天気の切っても切れない関係は、何も気温だけではありません。
暴風雨や大雪、そして雹(ひょう)や霰(あられ)が降った後はかならず人的被害、建物の被害などと共に農地、中でも特にブドウ畑の被害がニュースになります。
フランスではここ数年ゴルフボール大にもなる雹の被害が深刻なので、雹が降るとブドウ畑は大丈夫だっただろうかと心配になります。
ブドウ畑に雹が降ると、当たり方によっては、葉が破れたり、実が潰れたりするだけでなく樹が傷つくこともあり、樹が傷つくと元通りに回復するのに数年もかかるそうです。
昨晩もたまたま雷雨で、ちょうどブドウの収穫真っ最中のこの時期にタイミングが悪いな、と思っていたら、シャブリ地区では雹が降ったというニュースを見つけました。
それほど大きな被害はなかったようですが、一部のグラン・クリュとプルミエ・クリュの畑にも降ったようです。
一年間手間隙かけて育ててきたブドウがやっと収穫の時期を迎えたわけですから、ブドウ畑の側に住む私としては、ブドウの収穫(VENDANGES)が滞りなく行われることを祈るばかりです。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて有難うございました。
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