こんにちは。ブルゴーニュ在住のワイン好きライター、KIKIです。
発泡性のワインというと、一番に思い浮かぶのは「シャンパーニュ」ではないでしょうか。
ワインに詳しくない私の母は、発泡性ワインは全部シャンパンだと思っていたようですが、本来「シャンパーニュ」という名前は、シャンパーニュ地方で収穫されたブドウから、シャンパーニュ地方独自の製法で造られた発泡性ワインしか名乗ることができません。
発泡性ワインのいろいろ
もちろん、シャンパーニュ地方以外で造られる発泡性ワインにも素晴らしいものがあるので、一概には言えませんが「美味しいシャンパンをもらったから飲みにおいで」と誘われて行って、出てきたのがスペイン産のカヴァだったら、どうしてもちょっとがっかりしてしまいますよね。
スペインのカヴァも、イタリアのスプマンテもコストパフォーマンスのいい発泡性ワインですが、ブルゴーニュ在住でブルゴーニュ贔屓の私としては、「クレマン・ド・ブルゴーニュ」をご紹介させていただきたいと思います。
ちなみに、シャンパーニュ=発泡性ワインではありませんが、スパークリングワインというのは発泡性ワインの総称です。
発泡性ワインといえば、シャンパーニュ!でもブルゴーニュでは…?
シャンパーニュ以外の発泡性ワインは、フランスで「クレマン」や「ヴァン・ムスー」という名前で呼ばれています。
特に「クレマン」というのはシャンパーニュ地方以外の場所で収穫されたブドウを使って、シャンパーニュと同じ製法を用いて造った発泡性ワインのことで、ブルゴーニュだけでなく、アルザス、ボルドー、ジュラ、ロワール、ディ、リムーの合計7つの地方で造られています。
クレマンはシャンパーニュと比べて値段が安いということもあり、クレマンを生産している地方では、シャンパーニュよりも、自分の住んでいる地方で造っているクレマンの消費量が絶対的に多いです。
ブルゴーニュも例外ではなく、発泡性ワインと言えば、クレマン。
ブルゴーニュのレストランでもシャンパーニュは頼めますが、発泡性ワインの欄には、シャンパーニュだけでなく、数種類のクレマン・ド・ブルゴーニュがリストアップされていることが多いです。
また、ちょっと気分転換にシャンパーニュを買おうとすると「折角、安くて美味しいクレマン・ド・ブルゴーニュが簡単に手に入るのに、なんでわざわざシャンパーニュなんかが欲しいの?」と言われてしまうこともあります。
確かに、シャンパーニュもピンからキリまであるので、スーパーで手ごろな値段で買えるものの中には、クレマン・ド・ブルゴーニュの方が美味しいかも、と思ってしまうものも多いのです。
また、よっぽど有名な銘柄でない限り、シャンパーニュとクレマン・ド・ブルゴーニュをブラインド・テイスティングで見分けるのはプロのソムリエさんでも難しいという話を聞いた事があります。
ルイー(RULLY)村:クレマン・ド・ブルゴーニュ誕生の地
「クレマン・ド・ブルゴーニュ」を語る上で、避けては通れないのがルイー(RULLY)村の存在です。
ルイーはコート・シャロネーズのアペラシオンの一つで、赤ワインと白ワインを生産していますが、発泡性ワインでも有名なのです。
それは、ブルゴーニュで一番最初に発泡性ワインを製造し始めたからだと言われています。
そして、その伝統は今も続いており、ルイーには「ルイ・ピカメロ」と「ヴィトー・アルヴェルティ」という私が個人的にクレマン・ド・ブルゴーニュの二大生産者だと思っているドメーヌがあります。
ブルゴーニュのワイン醸造家の中には、クレマン用のブドウを栽培してはいるけれど、自分のドメーヌにはクレマンを造るための設備はないため、別のドメーヌに委託して造っているところが結構あります。
普通のワインを造る設備と、発泡性ワインを造る設備というのは全く別らしいです。
ルイー村の「ルイ・ピカメロ」と「ヴィトー・アルヴェルティ」はそれぞれ自分のドメーヌにクレマン用の専用設備を持ち、昔ながらの製造方法を守っていることでも知られています。
コート・シャロネーズの中心地、シャロン・シュル・ソーヌ(CHALON-SUR-SAONE)の町にあるワインショップ「メゾン・デ・ヴァン(MAISON DES VINS)」でもセレクションされていることが多いので、ボトル一本から気軽に購入することができて便利です。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて有難うございました。
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