こんにちは。ブルゴーニュ在住のワイン好きライター、KIKIです。
フランス人にとってワインというのは「無難な贈り物」の代名詞でもあります。
体質的にアルコールを受け付けないとか、お酒が好きではないというような情報が事前にわかっていれば別ですが、そうでない場合、何を贈ればいいのかわからない時は「とりあえずワイン」を選ぶ人が多いです。
ちなみに次点が花、その次がチョコレートという感じでしょうか。
ちょっとした食事会の手土産から、誕生日やクリスマスのプレゼントまで大活躍のワインですが、ワインの贈り物について10月になると毎年思い出すエピソードがあるので、みなさんにもご紹介したいと思います。
「10月のワイン」
フランス人男性と聞くと、何となくロマンティックなイメージがありますが、実際は人それぞれです。
私の周りには、日本人の若い男の子の方がよっぽどロマンティックなのではないかと思うくらい無骨なフランス人男性が多いです。
だからこそ、ちょっとロマンティックな演出をすると、ものすごく印象的で、何年たっても話題になるのかもしれません。
フランスでは珍しいくらいロマンティックな知人のフランス人男性、彼は10月が誕生日の恋人にコスモスの花束と、オパールのネックレスと、ワインをプレゼントしたのです。
キーワードはもちろん「10月」。
10月の花であるコスモスと、10月の誕生石であるオパール。
「君が生まれた10月は、僕にとっても特別な月なんだ」というメッセージが込められているのでしょう。
そんな彼が選んだ「10月のワイン」がこれ。
Vandanges d’Octobre(10月の収穫)という名前のアルデッシュ地方のワインです。
ブドウの品種はヴィオニエ。
私はこの話を聞くまでヴィオニエという品種のワインを飲んだことがなかったのですが、こんなロマンティックな演出に選ばれるワインがどんな味なのか、飲んでみたくなってあちこち探し回りました。
photo引用元:http://www.vignes-saveurs-beaujolaises.fr/fr/
濃厚な遅摘甘口ワイン
通常9月に収穫するブドウを10月まで待って収穫するという名前の通り、いわゆる「遅摘みワイン」です。
代表的なものに、アルザスやジュランソンなどのヴァンダンジュ・タルディヴなどがあります。
収穫を遅らせることによってブドウの糖度が上がるので、普通のワインよりもアルコール度が高い、甘口のワインに仕上がります。
結局、バカンスでアルデッシュ地方に行った時に見つけた、ヴィオニエのVandanges d’Octobreは、フォアグラやブルーチーズ、チョコレートに合いそうな、まったりとした濃厚なワインでした。
ロマンティックなディナーの最後に、トリュフやボンボンショコラと一緒に出したらピッタリだろうな、と思いました。
遅摘みのヴィオニエはなかなか見つからないかもしれませんが、ヴィオニエから作られたワインは日本でも手に入るようです。
特徴的な香りのヴィオニエ
ヴィオニエは、アルデッシュ地方だけでなく、ローヌ地方やプロヴァンスでも栽培されています。栽培量はそれほど多くありません。
栽培量が少ないのは、病気にかかりやすく、収穫期を見極めるのが非常に難しい品種だからだと言われています。
その一方で、オーストラリアやアメリカでも生産されている注目の品種でもあります。
何と言ってもヴィオニエの特徴は、その個性的なアロマです。
一度嗅いだら忘れられられません。
私にとっては、香りだけで品種を判断できる数少ないワインの一つです。
ワインのアロマを描写するボキャブラリーの中には、なかなかイメージしにくいものもありますが、ヴィオニエをテイスティングしてみると、「ああ、なるほど」と思えるものがいくつもあるので、ワインを勉強している人は、ぜひ一度飲んでみてください。
アルザスのゲヴルツトラミネールも香りに特徴があるワインとして有名ですが、ヴィオニエはさらに「濃い」感じです。
ゲヴルツトラミネールが華やかで上品なフローラル系であるのに対し、ヴィオニエは濃厚なトロピカルフルーツ系で、ドライアプリコットやマンゴ、パッションフルーツなど、オレンジ色のイメージが思い浮かびます。
フランスではシーフードの前菜や、魚料理に合うとされていますが、個人的にこのどことなくエキゾチックなワインに合わせてみたいのは、甘辛スパイシーな豚肉のしょうが焼きだったりします。
南仏のお土産にもらったヴィオニエが我が家のカーブに1本あるので、そのうち試してみる予定です。
それでは今日はこの辺で。
最後まで読んでいただいて有難うございました。
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