ビオディナミ農法の基礎知識&気軽に楽しめるビオディナミワイン「パラ・ヒメネス」を紹介!~前編~|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

ワインの楽しみ方

ビオディナミ農法の基礎知識&気軽に楽しめるビオディナミワイン「パラ・ヒメネス」を紹介!~前編~

       
「ビオディナミ農法」。

ワイン好きの方であれば、一度は耳にしたことがある用語ではないでしょうか。

しかし、このビオディナミ農法。
有機栽培の一種とされていますが、実際どのような農法なのか理解できていない…という方も多いかもしれません。
     
      

20646        
そこで今回、「UNITED ARROWS LTD.WINE CLUB」(UAワイン部)部長の蟹澤徹さん(画像:左)と阿南さん(画像:右)と一緒にサッポロビール株式会社に突撃。

ビオディナミ農法についての基礎知識のレクチャー、さらにスペインのビオディナミワイン「パラ・ヒメネス」をテイスティングしてきました。

前半はビオディナミ農法、後半は「パラ・ヒメネス」についてお伝えします。

日常的に楽しめるビオディナミワインをお探しの方はぜひチェックしてみてください。
       
        

オーガニックワイン&ビオディナミワインのイメージ

        
まず、蟹澤さんと阿南さんに、「オーガニックワインとビオディナミワインのイメージ」をお聞きしてみました。

蟹澤「オーガニックワインについていえば、“柔らかいとか優しい味わい”といったイメージです。酸味が強過ぎず、全体的にまろやかな印象でしょうか。また、酔いにくいとか体に良いとかそんな感じのイメージがある一方、やはり高価なイメージもありますね。」

阿南「贈り物など、人に渡すワインとして相手に喜ばれるワインといったイメージです。個人的には、楽しんで飲むというよりは、“情報で飲む”といった印象でしょうか。」

オーガニックワインはよい意味で尖っておらず、健康なイメージ。第三者にプレゼントすると喜ばれそう…といったイメージも納得できます。

ビオディナミワインについてはどうでしょうか。

蟹澤「独特の暦に合わせて栽培されたブドウでワインを造る…。この程度は知っているのですが、正直よくわからないというのが本音です。ビオディナミ農法によってブドウや畑、味わいにどんな影響があるのかわかっているようで、わかっていないという状況ですね。」

ビオディナミ農法から造られるワインが、ビオディナミワイン。

有機栽培の一種といわれながらも、どこか「オーガニックワイン」とは違うカテゴリと捉えられている部分もあり、一般消費者的には少し分かりにくい部分も多いのかもしれません。

ビオディナミワインとは、ビオディナミ農法一体なんなのでしょうか…。

では早速ビオディナミワインについて学んでいきましょう。
        
        

ビオディナミとは?

20645       
今回ビオディナミについて解説をしてくれたのは、サッポロビール株式会社 マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部マネージャーの山口明人さん

自分が、“おいしい!”と感じたワインを徹底的に追求する、“ワイン愛”に溢れた方です。

ここでは、山口さんに解説いただいた、“ビオディナミワインの基礎知識”などを簡単にまとめていきます。


★オーガニックワインについておさらい
        

20628       
まず、山口さんが教えてくれたのが、オーガニックワインについてです。

オーガニックワインは、化学肥料や農薬、除草剤などを使用せずに栽培された「有機栽培ブドウ」で造られたワインのことです。(※醸造過程での亜硫酸添加量などの規程は認証機関毎に違っており、定義がしにくい部分があります)

この「オーガニックワイン」というカテゴリはとても複雑ですのでここでは少し省きますが(別の記事で紹介しています)、簡単に定義をお伝えすると…

『農薬や化学肥料を使用せずに栽培された有機栽培ブドウを使用し、さらにオーガニック認証機関が定める基準に従って醸造されたワイン』

となります。

醸造に関連する規程もありますが、主に「栽培方法」に重きが置かれているところが特徴です。


★ビオロジックとビオディナミ農法の関係性

オーガニックワインを定義するための農法の中でも、「ビオロジック(有機栽培)」がとくに有名です。

冒頭でもお伝えしたように、ビオディナミ農法は基本的に農薬や化学肥料を使用しないビオロジック(有機栽培)のひとつとして認識されています。

要するに、“ビオディナミ農法はビオロジックでもある”と解釈することもできるわけです。

事実、ビオディナミワインのボトルにオーガニックワイン認証機関の認証シールが貼られているため、オーガニックワインでもある…と考えてもいいかもしれません。

それにもかかわらず、ビオディナミワインはどこか独立したカテゴリのワインとして扱われています。

ビオロジックの一種ではあるものの、ビオディナミ農法はそれとは違う…。

一体、ビオディナミ農法にはどんな特徴があるのでしょうか。
      
      

ビオディナミ農法とは!?

20616      
ビオディナミ農法とは、1924年にドイツの人智学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した農法です。

ビオディナミ農法を実践する生産者団体デメター(1924年立)が、1946年に品質認証のための自主基準を作っており、「ビオディナミワイン」と同団体に認証されたワインにはこの「demeter」のロゴが記載されています。

まず、ビオディナミ農法とは、ビオロジックであることにプラスして、「天体の動きとの調和、動物との共生、独自の調合剤の使用」を特徴とした農法と考えてください。

天体とか独自の調合剤の使用というと不思議な気分になりますが、簡単にいうと「ブドウの樹の生命力を引き出す」ために、“昔ながらの農法に哲学”をプラスした農法となります。

大きな特徴をまとめてみました。

ビオディナミ農法は…

・農園をひとつの宇宙と捉える!
・肥料は外部のものは使用禁止!(自園でまかなう)
・種まきや収穫は星の動き・太陰暦太陽暦に基づいて実施!
・牛の角に肥料を交ぜたものを埋めて土壌改善!

       

20629

▲貯蔵庫に祭壇があったりワイナリーに謎の建物があったりと、
ややスピリチュアルなイメージが強いビオディナミ農法

      

スピリチュアルな印象を持つ方も一定数いるのですが、ブドウ樹の抵抗力が高まるだけでなく土壌も改善されるなど、“ブドウ畑が本来あるべき姿”へと戻すための農法と考えるとわかりやすいかもしれません。

そのためか、ビオディナミ農法から造られるワインは品質の高いワインと評価されることも少なくありません。

その証拠に、「ロマネ・コンティ」や「シャプティエ」、「クレ・ド・セラン」といった有名ワインはビオディナミ農法から造られたブドウを使用しています。

“誰もが知る高級ワインは、じつはビオディナミワインだった…”という事実も、同農法から造られたワインの品質が高いという事実を裏付けているのではないでしょうか。

ビオディナミ農法が実践されているブドウ畑を見ると馬や羊がいたり、ブドウの蔦が雑然としているなど自然の風景そのもの。

自然と生命が共存した、昔ながらの美しいブドウ園の姿こそビオディナミ農法の目指すところなのです。
        
        

ビオディナミワインを手軽に楽しめる…!?

      
ビオディナミ農法ですが、どうしても手間がかかってしまうため、一般的なブドウ畑と比較して収穫量は70%ほどしかないそうです

その結果生産量が少なくなるため、ビオディナミワインは高価格帯になってしまいます。

しかし今回、その常識を打ち破るコストパフォーマンスに優れた注目のビオディナミワインを山口さんが用意してくれました。

それが、冒頭でも軽く触れたスペインの「パラ・ヒメネス」というワイン。

後半では、ワインの解説やテイスティングコメントをお伝えしていきます!
        
        

関連コラム

・ビオディナミ農法の基礎知識&気軽に楽しめるビオディナミワイン「パラ・ヒメネス」を紹介!~後編~
     
      

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。

関連記事