シャンパーニュの醸造工程


シャンパーニュ生産の流れ

シャンパーニュは、法律によって非常に厳しい決まりが定められています。
法律で定められた手順を踏まないと、そのワインはシャンパーニュとして名乗ることはできません。

ここではシャンパーニュの醸造工程について学んでいきましょう。

1、収穫(ヴァンダンジュ)

当然ながら、ワインの醸造はブドウを収穫するところから始まります。
ここで、シャンパーニュでは機械を使っての収穫は認められておらず、必ず手摘みによる収穫をしなくてはなりません。
また、ブドウも指定された3種類しか認められていません。

2、圧搾(プレシュラージュ)

収穫をすると、ブドウが痛まないうちにすぐに圧搾が行われます。
圧搾は果皮の色素が抽出されないように加減をして行われます。
また、シャンパーニュでは、この圧搾で抽出できる搾汁にも厳しい決まりがあります。

搾汁では、大きく2回分の搾汁しか認められていません。

1、ラ・キュヴェ
…テート・ド・キュヴェとも呼ばれる最初に行われる搾汁です。
ラ・キュヴェでは、4000kgのブドウから2050リットルだけ搾汁を取ることができます。
この2050リットルという数字は、シャンパーニュ地方のピエスという樽に容量が205リットルであり、10樽分に相当するためです。

2、プルミエール・タイユ
…ラ・キュヴェの後に、さらに500リットルを搾り取ります。

以上の2回分の搾汁だけがシャンパーニュに使うことができ、4000kgのワインから合計で2550リットルの搾汁を得ることになります。

3、一次発酵(プルミエール・フェルマンタシオン)

まずは通常の製法でスティルワインを造ります。
この時点で生成される炭酸ガスは外に逃がすため、発泡性は帯びません。
ここではアルコール度数は約11℃です。

4、調合(アサンブラージュ)

一次発酵で造られたワインをブレンドする工程です。
シャンパーニュ地方はとても冷涼な気候であるため、毎年安定して優れたブドウを作ることが難しいため、ヴィンテージの異なるワインをブレンドして味を整えます。

ちなみに、このアサンブラージュを初めて行った人が日本でも有名なワインの名前にもなっている「ドン・ペリニョン」と言われています。

5、瓶詰め(ティラージュ)

瓶内発酵をするために、調合したワインを瓶詰めします。
瓶詰めをする際には、アルコール発酵を促すために酵母と糖を加えます。
糖の量は、1リットル当たり24gです。4gあたり1気圧を生み出すため、6気圧がワインの中に生み出されます。

なお、この過程でアルコール度数も約1.5度ほど高まります。

6、瓶内二次発酵(ドゥジェム・フェルマンタシオン・アン・ブテイユ)

瓶詰めされた中で、アルコール発酵が行われます。
炭酸ガスの逃げ場がない瓶内でアルコール発酵をするため、この過程でワインに発泡性が加わります。

また、瓶内二次発酵をすることでこれより後の工程がとても大変になってしまうため、この工程を簡略化して大型タンクで二次発酵を行うスパークリングワインの製法もあります。(シャルマ方式)

しかし、繊細な泡を表現するためには避けては通れない工程であり、シャンパーニュを名乗るためには瓶内二次発酵を行わなくてはならず、高品質なスパークリングワインであることの証明にもなる工程です。

7、滓と一緒に熟成(マチュラシオン・シュル・リー)

瓶内発酵では、役目を終えた酵母が滓となって沈殿します。
シャンパーニュは、この状態で最低15ヶ月以上瓶内で熟成させます。

この熟成の期間も法律で定められており、ヴィンテージ表示のないノン・ミレジメで最低15ヶ月。
ヴィンテージ表記のあるミレジメでは最低3年以上の熟成が義務付けられています。

8、倒立(ミズ・シュル・ポワント)

瓶内にたまった滓を取り出すために、ピュピトルと呼ばれる滓下げ台で瓶を下向きに倒立させます。
この工程により、滓を瓶口付近に引き寄せます。

9、動瓶(ルミュアージュ)

毎日1/8ずつ回転させるとても繊細な工程ですが、近年では機械で行うこともあります。
微妙に少しずつ回転させる理由は、真下に瓶を立ててしまうと、瓶口の手前で滓が引っかかってしまう可能性があるためです。

10、滓抜き(デゴルジュマン)

滓を取り出すために、マイナス20℃の塩化カルシウム水溶液で瓶口だけを凍らせます。
この状態で栓を外すと凍った滓が飛び出します。

かなり勢いよく飛び出すため、シャンパーニュは実はボトルごとの量にむらがあります。
シャンパーニュの瓶口に紙が貼られているのは、この差を隠すとも言われています。

11、門出のリキュール(リキュール・デクスペディシオン)

シャンパーニュでは、糖が完全に分解されてしまっているため、甘みが全くない状態です。
そのため、味を調整するためにシャンパーニュの原酒に糖分を加えたもので補酒を行います。

この工程は「ドザージュ」とも呼ばれます。
この工程によって残留糖度に差が出ることになり、甘口・辛口などが分かれます。

12、打栓(ブシャージュ)

ドザージュを行うと、ようやく打栓をします。
なお、この工程をフランス語で「ブシャージュ」と呼ばれますが、フランス語でコルクを「ブゥション」と言います。
よくワインが参加して痛んだ状態のことを「ブショネ」と言いますが、「コルクのかびた味がする」という意味であるコルクが語源となっています。

13、ラベル貼り(アビアージュ)

ラベルを張って、ようやく出荷することができます。



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