数ヶ月前、とある宴会に呼ばれたカーヴ編集部。
和洋中のさまざまな料理をはじめ、ビールやウイスキー、ワインなどを自由に楽しめる内容だったため、会話そっちのけで新たなペアリングを探り続けました。
その結果、驚くべき発見が…。
「バルベラ×トロ」というペアリングが“最強”だったのです!
“おやおや…。ついにこっちの方向へ進んでしまいましたか…”と思われた読者の方も少なくないでしょう。
確かにキーワードが斬新すぎて味わいを想像しにくいのですが、けっしてふざけているわけではありません。(いつだってカーヴは真剣です!)
副店長の鈴木祥多郎さん
このペアリングを皆さんに信じてもらうべく、我々は【夏×和×ワイン】でお世話になった「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」へ。
今回も、同店副店長の鈴木祥多郎さんにお願いして「バルベラ×トロ」の相性を確かめてもらいました。
また、同店の最新情報も…。
鮨とワインが大好きな方、必見です!
握りとワインが常に楽しめるユニークなエノテカ
今回、我々がこの企画を「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」にお願いした理由。
それは、“握りとワインのペアリング”をいつでも同店のカフェ&バーで楽しめるという画期的な店鋪だからです。(鈴木さんが素晴らしい方なので、もプラスします)
「『ワインショップ・エノテカ 池袋東武店』では、メニューに『すしや』さんのお鮨がリストアップされています。赤身一貫、白身一貫の二貫をカフェ&バーにてお召し上がりいただけますよ。」と鈴木さん。
同店では、月々に「フードペアリング企画」を開催しており、さまざまなテナントとコラボレーションしているそう。
その中でも特に人気があるのがワインと鮨のペアリングで、参加したお客さまたちから、“常にカフェ&バーで出してほしい”という要望が多かったのでリストアップしたのだとか。
「ご提供する二貫のお鮨ですが、毎日必ず決まったネタがやってくるわけではありません。期間的に開催しているフードペアリング企画ではネタもワインも決めているのですが、普段はその時々の旬のネタが『すしや』さんから提供される感じです。訪れる度に旬のお鮨をお楽しみいただけますよ。」
お鮨に合わせるワインはエノテカのスタッフがアドバイスしてくれますが、基本的には自由。
ワインのメニューもお鮨と合わせやすい、さまざまな種類がラインアップされているので安心です。
「お鮨と合わせるワインとなると、やはり多くご注文いただくのは、“スパークリングワイン”ですね。いらっしゃったら必ず握りのご注文をいただくお客さまもいらっしゃるほどです。」と鈴木さん。
「すしや」さんにもエノテカで販売されているリースリングのワインがリストアップされているそうで注文も多いのだとか。
「バルベラ×トロ」企画を進められるのは、「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」しかあり得なかったのです。
「バルベラ×トロ」にチャレンジ!
そんな握りとワインが楽しめるカフェ&バーにて、私たちも握りを注文。
主題であるトロを用意してもらいました。
さぁ、トロがやってきました。
我々のペアリングは正解だったのか間違いだったのか…。
鈴木さん、お願いします!
バルベラは〈プルノット/バルベラ・ダルバ〉を用意!
鈴木さんが用意してくれたバルベラを使用したワインは、〈プルノット/バルベラ・ダルバ〉(以下、バルベラ・ダルバ)。
イタリアワインラヴァーであれば知らぬ者はいない、名門中の名門です。
「1923年創業から人気を博しており、当時は“バローロといえばプルノット”といわれていたほどの伝統があるワイナリーです。89年にアンティノリがオーナーとなりましたが、伝統的なスタイルは変わっていません。」
今、バルベラなどピエモンテ州のワインに注目しているエノテカ。サンジョベーゼほどの認知度がないものの、バルベラにはお手頃で品質の高いワインが多いと鈴木さんは絶賛します。
「ピエモンテ州は職人のような造りのワインが多く、バルベラにこだわって造っているところも多いんです。今、ラインアップを広げているところで我々スタッフも熱を持ってご紹介しています。」
トロに合わせるワインとしてなぜこれを選んだかについては…
「バルベラ自体がスミレのお花のような香りを持っており、飲みやすく果実味の濃さがしっかりとした品種。オーク樽で熟成させられますが、タンニンもそこまで強くないので口の中がギシギシせずになめらかに入ってきます。トロも爽やかで繊細なのですが味わい自体にボリューム感がありますよね。この要素が〈バルベラ・ダルバ〉に合うのではないか…と思い用意させていただきました。」と語ってくれました。
※ちなみに「すしや」さんでは当日の仕入れにより、トロの部位が入荷しない場合があるようですので、注文したらトロがやってくるとは限りません。試してみたいという方は、「すしや」のスタッフにお問い合わせください。
実際に食べ合わせてみて、その相性の良さに驚いていた様子でした♪
白身魚でも試してみた!
今企画の主題である、「バルベラ×トロ」は大成功。
これは皆さん、ぜひ試してほしいところです。
じつは我々、鈴木さんに、“バルベラとトロが美味しくないと思ったら企画倒れになるので、いつもお店で提供しているような感じのヤツ…ありますか?”と事前に相談していました!
「白身魚のお鮨×ワイン」。
こちらもおまけとしてご覧ください。
ワインはボルドーの〈クラレンドル・ブラン〉!
「すしや」さんからやってきた白身魚のお鮨は「スズキの昆布締め」。
それに合わせるために鈴木さんが提案してくれたのが、〈クラレンドル (クラレンス・ディロン・ワインズ)/クラレンドル・ブラン〉(以下、クラレンドル・ブラン)です。
「白身魚のお鮨に合わせるとなると、スパークリングワインか白ワインがおすすめです。白ワインの場合、コクがあるタイプより爽やかなミネラル感のあるタイプが定番よいでしょう。」
今回提案してくれた、〈クラレンドル・ブラン〉。
鈴木さんも自宅でお鮨とワインを合わせる時、ボルドーブランを利用しているそうです。
「こちらは、『シャトー・オー・ブリオン』のオーナーがクラレンドルのクラレンス・ディオン氏をオマージュして造られており、“お手頃なオー・ブリオンの白”ということで考えられたワインとなります。グラーブ地区は石がゴツゴツした場所で海が近い産地。そのため、ミネラルがしっかりとした白ワインが生まれます。」と鈴木さん。
ボルドーの白ワインというとソーヴィニヨン・ブラン80%でセミヨン20%というようなブレンドがイメージされますが、こういったワインの場合は多少の苦みを感じるため、白身魚のうまみを邪魔してしまうのだとか。
〈クラレンドル・ブラン〉は、そういった白ワインと何が違うのでしょうか。
「〈クラレンドル・ブラン〉は、セミヨンが主体の白ワイン。セミヨン42%にソーヴィニヨン・ブラン30%、さらにミュスカデルが28%入っています。セミヨンやミュスカデルは貴腐ワインにも使用されるブドウで、桃のタッチや蜜、アルコール感のとろみも感じさせます。ボリュームアップしたら南仏のような印象にもなるほどですが、そこまでではなくあくまでエレガント。白身魚にもとても合うと思います。」
スズキの昆布締めと〈クラレンドル・ブラン〉間違いなし!
ボルドーブランとスズキの昆布締め。
こちらも、なかなか聞かない組み合せですがどうでしょうか…。
提案してくれた鈴木さんが検証します。
「いいですね、このペアリング。お魚にとても弾力があり、噛んでいると旨味が出てきて香ばしさも感じさせます。白身魚なのですが味わいに濃さが出てくるため、〈クラレンドル・ブラン〉とよく合いますね。このワインは樽を強くかけていないため、飲んだ時に爽やかで白い花のニュアンスがあります。少し爽やか過ぎるかと思ったのですが、アフターにセミヨン由来のジャスミン系のお花の香りが出てくるため、それがスズキの昆布締めの風味と口の中できれいにまとまりますね。」
こちらも、ペアリング成功!
個人的に後で試しましたが、生臭さを一切感じさせない素晴らしいペアリングになっていました。
鮨とワイン、楽しいですね…。
年末年始は「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」へ!
今企画に協力いただいた、鈴木さん。
難しい挑戦にもしっかりと対応してくれた上に、素晴らしい結果となり感謝しかありません。
さて、2019年も残り1ヶ月。
年末年始はワインを飲む機会が増える時期ですよね。
「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」の最新情報について鈴木さんにお聞きしました。
「12月になるとお祝い事が多くなるので、やはりシャンパーニュやクレマンなどの“良いもの”を選ばれるお客さまが多くいらっしゃいます。そのため、今月はスパークリングワインを厚めに展開しています。」
スパークリングワインのバリエーションも増やすことはもちろん、来店したお客さまが商品選びに迷ってしまわないようにわかりやすくしたり、スタッフもスパークリングワインの説明がしっかりできるように準備をしているところだそうです。
年末はスパークリングワインをはじめ、いつもより高級なワインを選ぶことが多いので嬉しい限りですね。
またユニークなおせちの用意も。
杜のこんだて鐘崎さんとワインショップ・エノテカ【池袋東武店限定】コラボレーションした、〈おせちかまぼこ詰め合わせか×ワイン3本セット11,000円(税込)〉です。
新年を祝うに相応しい限定セット。
こちらも要チェックです。
ワイン福袋は今年もスゴい!!
そして、エノテカと言えば気になるのが福袋。
2020年はどうなっているのでしょうか。
「毎年恒例企画となっている、〈ワイン福袋〉。2020年も販売いたします。5,500円(税込)でくじを引いていただくのですが、今年の一等は、『シャトー・オー・ブリオン』。それ以外にも、数万円のナパヴァレーのワインやシャトーヌフ・デュ・パプなどの高級ワインも用意しております。」
5,500円で購入したくじで、「シャトー・オー・ブリオン」が当たる…!?
これは、並んでまでも購入するしかありません!!
「トロ×ワイン」は新ジャンル!?
「バルベラ×トロ」の相性は◎。
「トロとワインを合わせるという発想がありませんでした。〈バルベラ・ダルバ〉は、馬刺や牛刺し、肉寿司といったテイストの食べ物との相性も良さそうですね。『トロとワイン』。新たなジャンルのひとつかもしれません…。」と鈴木さん。
これに限らず、思いもよらないペアリングはまだまだ多くありそうです。
ぜひ、皆さんもご自宅やお鮨屋さんで試してみてはいかがでしょうか!?
また、「ワインショップ・エノテカ 池袋東武店」のカフェ&バーで鮨をつまみながらワインも楽しんでみてください!
ご参考
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ナカゴミ コウイチ
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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