カーヴでも度々ご紹介している信頼のシャンパーニュメゾン〈シャスネ・ダルス〉。
中でも「キュベ・ロゼ・ブリュット(以下、ロゼ)」は、シャンパーニュ好きの方にファンが多いことで知られています。
カーヴは、そんな〈シャスネ・ダルス〉のロゼに、心底惚れ込んでいるという方がいるという情報を入手。
その人物というのが、なんとユナイテッドアローズ創業者であり、名誉会長を務める重松理さん。
今回、シャンパーニュ好きだという重松さんに、シャンパーニュにまつわる思い出や〈シャスネ・ダルス〉ロゼの魅力についてお話しいただきました。
マンハッタンの思い出
大のシャンパーニュ好きとしても知られている重松さん。
シャンパーニュに惚れ込むきっかけとなった出来事があったようです。
「私がシャンパーニュを飲み出すきっかけは、1981年のニューヨークでの出来事です。『デザイナーコレクティブ』という、各国のクセのあるデザイナーのアイテムだけを集めた商品の展示会があったのですが、そのひとつに『吉田カバン』が日本で唯一出展していたんです。」
その商品に惚れ込んだ重松さん。
結果は仕入れることになったそうですが、そこで出会ったのが後の『Porter Classic(ポータークラシック)』の創業者となる、吉田克幸さんだったそう。
「当時、付き合いのある雑誌社の方々もニューヨークに取材に来ていたこともあり、“皆で飯でも食べようか”ということで、ロングのリムジンを借り、ブルックリンの有名なステーキ屋に行った後にニューヨークの街をクルーズしようという話になりました。」
吉田克幸さんが大のシャンパーニュ好きだったこともあり、皆でリムジンの中でシャンパーニュを抜栓。
その時、飲んだのがあの〈ヴーヴ・クリコ〉だったのだとか。
「ブルックリンから見るマンハッタンの夜景。そして、そこに〈ヴーヴ・クリコ〉。もう、このシチュエーションが格好よすぎて…。一晩で、私は〈ヴーヴ・クリコ〉が好きになってしまいました。」
“一晩の経験が私をシャンパーニュ好きにさせた”と、重松さん。
人生には何が起こるかわかりませんね。
ハウスシャンパンとして
マンハッタンの夜、出会った〈ヴーヴ・クリコ〉に惚れ込んだ重松さん。
自身が創業したユナイテッドアローズにとっても、重要なシャンパーニュとなりました。
「1989年にユナイテッドアローズが創業し、ショップがオープンしたのが90年。その時のオープニングパーティーに〈ヴーヴ・クリコ〉を使ったんです。それから、ユナイテッドアローズ ブランドのアイコンカラーに近いオレンジのラベルを持ったこのシャンパーニュをハウスシャンパンにしました。」
ハウスシャンパンということで、今も会社関連の行事などがある時は〈ヴーヴ・クリコ〉を使っているそう。
重松さんご本人はもちろん、同社にとっても大切なシャンパーニュとなっているようです。
クリュギストとして
ことあるごとに〈ヴーヴ・クリコ〉を愛飲していた重松さん。
ある時、〈クリュッグ〉と出会い、その魅力に惚れ込みます。
「熟成の効いた〈クリュッグ〉を飲んだ時、“これは、トップだな”という感触がありました。そこから、〈クリュッグ〉に傾倒。『MHD(モエ ヘネシー ディアジオ)』でも一時、〈クリュギスト〉とされていました。」
〈クリュッグ〉のシャンパンハウスへ行ったり、バリ島のプライベートヴィラの一棟を〈クリュッグハウス〉にするなど、自他ともに認めるクリュギストだったという重松さん。
当時、驚くべき誘いがあったといいます。
「〈クリュッグ・クロ・ダンボネ‘95〉が初リリースされたその年。この発表会に招待されたんです。日本では二人だけということだったのですが、ソムリエの田崎真也さん、そして何故か私が選ばれたんです。結果、当時のヴーヴ・クリコジャパンの社長と我々3人で現地へ。世界各国から100人しか招待されていない、本当に素晴らしい会でした。」
ほかでは経験できないような本当に特別な会だったそうで、“とても印象深かったし、誇りでもある”とさまざまなエピソードを交えながら語ってくれました。
クリュギストとして頂点を極めた重松さん。
しかし、まだまだ新たなシャンパーニュと出会いは続きます。
サロンとの出会い
〈クリュッグ〉の会から帰国後、ひょんなことからシャンパーニュ好きの方と一緒に〈クリュッグ・クロ・ダンボネ〉を京都で飲むことに。
当時、〈クリュッグ・クロ・ダンボネ〉を6本購入していながらも、そのうちの1本をその日のために大切にその時まで取っておいたそうです。
「京都のシャンパーニュ好きの人を紹介され、その日から二年後くらいに京都で『クリュッグ・クロ・ダンボネ会』を開催したんです。貴重なワインシャンパンですからね。私がどれだけシャンパーニュが好きか、ということもわかっていただけたようです。」と重松さん。
しかし、そこで出会ったあのシャンパーニュにまたも心を奪われます。
「紹介してもらった彼がその時、〈サロン〉を持ってきたんです。飲んだら驚くほど美味しいではないですか…。〈クリュッグ〉もかなり飲んできてはいたのですが、今度は〈サロン〉に傾倒するようになってしまいました。」
笑顔でこう話す重松さん。
自分が心の底から気に入ったシャンパーニュを愛してしまう…という姿はとても素敵です。
「今も〈サロン〉は好きですが簡単に手に入るものではないですし、飲むならお祝いの時ですね。普段は、妹的なメゾンの〈ドゥラモット〉、ルイナール、ルイ・ロレデールを飲んでいます。」
ドゥラモットも素晴らしいメゾンであり、ワインシャンパンファンからも大人気。
とはいえ、〈クリュッグ・クロ・ダンボネ〉や〈サロン〉が集まるワインシャンパン会とは豪快なエピソードです…。
〈シャスネ・ダルス 〉のキュベ・ロゼ・ブリュットとの出会い
マンハッタンから始まった重松さんのシャンパーニュヒストリー。
今、お気に入りのシャンパーニュのひとつが〈シャスネ・ダルス〉の、「キュベ・ロゼ・ブリュット(以下、ロゼ)」なのだとか。
「アートクリエイティブビジネスサポートの担当の方とは古い付き合いなのですが、以前“この輸入会社にうつるから試してほしい”と言われ、シャスネ・ダルスを試しました。その時、このロゼが本当に美味しかった。」
クセの無い、サラッとした口当たりの味わいが好みという重松さん。それでも、この香りの良い繊細なロゼに心打たれたそう。
「ナッツの香りとか、少しクセのあるシャンパーニュが今は苦手で。ただ、このロゼは本当に美味しい。普段ロゼシャンパーニュを飲まない方にも勧めていますが、皆声を揃えて“美味しい”と言ってくれます。」と重松さん。
相当お気に入りのようで、知り合いのシャンパーニュ好きの方たちに200本配った…というエピソードもお話くださいました。
何も考えずにまずは飲んでもらいたい
シャンパーニュ好きの方の中には、知らないメゾンにチャレンジするのが億劫という方もいるでしょう。
「まずは何も考えずに1本購入し、飲んでほしい。」と重松さん。
先日、30年来の友人に会った時にもこのロゼを勧めたそう。
「彼女はとにかくシャンパーニュが大好き。先日、宴会をやった時にシャンパーニュを3種類用意したのですが、そのうちのひとつにこのロゼを入れました。そしたらロゼが美味しいと。“やっぱりね!”と、嬉しくなりましたね。」
食前酒はもちろん、食中酒もシャンパーニュということで、食事はシャンパーニュだけで通すという重松さん。
近頃では、ロゼを和食店に持ち込んだり、仕入れてもらっているのだそう。
「何が何に合う、という難しいことは考えていません。ただ、このロゼは万能。どんなお食事にも合わせやすいと思います。」と、マリアージュについても語ってくれました。
順理庵について
ご存知の方も多いと思いますが、重松さんは「順理庵」というお店も手掛けています。
「私たちは、欧米の生活文化を商品を通して紹介してきました。ある時突然、日本の伝統的な美しさは西洋に決してひけを取らないそれ以上のものだと思うようになってきたんです。」
「順理庵」は、クオリティや技術の高い日本のものだけに特化した商品を取り扱う洋和装男女複合専門店。
素晴らしい日本の伝統的な美しさを掘り下げていきたい。
こういった思いで衣料品はもちろん、生活の道具から木工品や漆製品などさまざまな商品が揃えられています。
シャンパーニュも大好きという重松さんですが、日本酒もお好きだそう。今後、「順理庵」で日本酒も取り扱いたいともおっしゃっていました。
素晴らしい感性をお持ちの重松さんの手掛ける「順理庵」。
ぜひ、気になる方は店鋪を訪れてみてはいかがでしょうか。
〈シャスネ・ダルス〉を楽しもう!
今回、ユナイテッドアローズ創業者であり、名誉会長を務める重松理さんにお話をお聞きしました。
マンハッタンでの〈ヴーヴ・クリコ〉の思い出や〈クリュッグ〉への強い思い入れ、〈サロン〉への傾倒など…シャンパーニュにまつわるエピソードは尽きません。
そんな重松さんが今、〈シャスネ・ダルス〉のロゼに惚れ込んでいるというのは、ワインファンにとっても興味深いところです。
日本国内ではあまり名が知られていないメゾンですが、味わいの良さは一流。
ぜひ、この機会に〈シャスネ・ダルス〉をお試しください。
ご参考
株式会社ユナイテッドアローズ
順理庵
ART CREATIVE Business Support
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近年注目され始めている“コート・デ・バール地区”で作られる、繊細で軽やかな味わいのロゼ・シャンパーニュです。
ドライ過ぎずまろやかで飲みやすい仕上がりとなっており、お料理との相性も抜群です!!近年注目され始めている“コート・デ・バール地区”で作られる、繊細で軽やかな味わいのロゼ・シャンパーニュです。
ドライ過ぎずまろやかで飲みやすい仕上がりとなっており、お料理との相性も抜群です!!
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ナカゴミ コウイチ
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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