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【環境×ワイン】持続可能なワイン造り目指すボルドーの最新トピックを紹介!

         
先日、都内にてボルドーワイン委員会主催の「ボルドーの持続可能なワイン造りを知る
#Sustainabordeauxプレスイベント(ランチブッフェ)」が開催されました。

以前、「ボルドーが気候変動に適応した新たなぶどう品種をAOC規定に導入する」という内容をコラムにてご紹介したように、ボルドーは持続可能なワイン造りに対して意識が高く、このほかにもさまざまな取り組みを行なっています。※過去のコラムはこちら 》
       
        

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(Photo by 寺田 智伸)

         
当日は、ボルドーワイン委員会技術部門ディレクターのマリーカトリーヌ・デュフールさんが来日し、ボルドーの最新情報を解説。

さらに、環境に配慮した何らかの取り組みを行なっているワイン、そしてフードが提供されました。

今、持続可能なワイン造りを行なっていくためにボルドーがどんなことをしているのかここで簡単にご紹介していきます。
        
         

「持続可能なワイン造り」とボルドー

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(Photo by 寺田 智伸)

        
近年、地球温暖化の影響による気候変動への対策、ブドウ畑またはその周辺の生物多様性の促進・保護に力を入れているワイン産地が増えてきています。

“環境は無視して、とにかく造れ、売れ”という時代は終わり、ワイン産地全体で環境について真剣に考え、取り組まないといけない時代がやっているのです。

さて、そんな中ボルドーはなんと20年以上前からこういった取り組みが進められており、フランス国内でも環境に配慮した「持続可能なワイン造り」を行なう産地として有名です。

・ボルドーのブドウ畑の60%は環境配慮型のアプローチを採用
・ブドウ畑の85%は下草で覆われている
・フランスで最初に環境に配慮した農業施策をAOC取得規定に組み入れた
・2008年から2016年の間に温室効果ガス(GHG)の排出削減を約束(-9%)

など、かなり環境に配慮したワイン造りが行なわれていることがわかります。

さらに、HVE※(フランス農業・食料省による環境価値重視認定)取得数もフランス第一位。

※HVEはフランスの農作物全てに対象となる認証。フランスのぶどう畑においてボルドーの取得数が第一位。

ボルドーは、ワインの品質はもちろん、ワインを取り巻く環境への配慮という面においても世界の先端を走り続けているのです。
       
        

ユニークな取り組み

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(Photo by 寺田 智伸)

         
イベントでは、ボルドーが行なっている取り組みの最新トピックがいくつか紹介されました。

カバークロップの維持や樹木の保存、生垣の植樹など「ブドウ畑とその周辺地域における包括的なアプローチ」、マルゴー地域で行なわれているワイン生産者の前進を支援する研究開発「VITIPOLLプロジェクト」、生物多様性を促すAOCボルドーの新ルールなど、興味深い取り組みが次々と紹介されます。

そんな中、特に興味深かったのが「ボルドーのブドウ畑に住むコウモリ」についてのトピック。

ボルドーにはコウモリが多く生息しており保護されているそうですが、それがブドウ樹に害を与える小さな蛾であるハマキガを餌とすることが研究で確認されたというのです。

つまり、本来化学肥料などを使用して駆除する害虫をコウモリが自然に餌にしてくれることで、より環境に配慮したブドウ栽培が行なえる、ということになります。

ただし、放置していたらコウモリが増える…というわけではありません。

コウモリの活動を活発化させるためにブドウ畑の環境を整えたり、定着を促すために捨てられた古い小屋をあえて放置したり、水たまりや一部の草を刈り取らないで残しておくなど、コウモリの数を増やす活動が行なわれているそうです。

私たちは、何らかの動物や虫は全てブドウ栽培にとって邪魔者であると思いがちですが、生物多様性という観点から見ると、それぞれにちゃんと役割があることがわかります。

こういった研究に取り組んでいるところも、一歩先に進んでいるボルドーらしい部分ではないでしょうか。
        
         

気候変動への対策について

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(Photo by 寺田 智伸)

         
ブドウ畑やその周辺の生物多様性を守ることは大切です。

しかし、持続可能なワイン造りを行なっていくためには近年問題になっている気候変動についても対処していかないといけません。

イベントでは、まず気候変動でわかっていることが紹介されました。

・フランスにおける気温上昇 ~100年前と比べて1.4度℃増~
・21世紀に予想されている気温上昇度 ~今後30年で3.6℃増~
・過去50年間 ~ボルドーでは冬と春の降雨量が減少~
・霜・雹・嵐の将来的な予測は不可能

など、ブドウ栽培やワイン造りをする方はもちろん、ワインマーケット全体が無視できない状況になってきています。

実際にボルドーでは、30年前より収穫期が3週間早期化したりアルコール度数の上昇、ワインの酸味の減少、アロマの変化などなど影響が出始めています。

こういった気候変動に適応するための新施策として、ボルドーではこんな取り組みが行なわれています。

・剪定日を先に延ばす
・ブドウを日光から守るために、ブドウ樹の幹を高く育てて葉の広がるエリアを小さくし摘葉を制限する。
・白およびロゼワイン用のブドウは夜明けに収穫。(ブドウを冷涼な状態に置くことができアロマも保たれる)
・醸造に際し発酵力の低い酵母を使用する。

そのほか、冒頭でもお伝えしたように新品種の導入などもこういった対策のひとつとして進められています。

ただ、これはボルドーだけでなく世界全体のワイン産地が取り組むべき課題。

ボルドーのこういった活動が世界中に広がることを願っています。
         
         

新品種の開発?

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(Photo by 寺田 智伸)

       
イベントの最後に、ひとつユニークな取り組みが紹介されました。

それが、未来への備えとした「ブドウの新品種」の開発です。

開発、ということですので全く新しい品種がボルドーで誕生する可能性があるということになります。

ヴィテス・ヴィニフェラ同士ではなくラブルスカ種を掛け合わせているものもあり、ベト病やウドンコ病に強い耐病性品種の開発が行なわれている、とのことです。

およそ20品種がすでにフランスで認定されており、今後新品種をAOC規定へ組み込むための交渉もしている最中なんだとか。

このプロジェクトが実現したら、また新しいボルドーワインの世界が広がりそうです。
       
        

当日用意されたワインやフード

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(Photo by 寺田 智伸)

         
セミナー後、イベントでは環境に何らかの配慮を行なっているワインやフードが提供されました。

・カステルノー・ド・スデュイロー
・シャトー・ローラン・ド・ビィ
・ロック・デュ・マノワール レ・ヴォエイユ・ヴィーニュ
・シャトー・ボネ ルージュ バレル・エイジド
・ブルス・ド・リゼンヌ クレマン・ド・ボルドー
・ボルドー・クレレ
・バルトン&ゲスティエ グラーヴ
・シャトー・ラ・カデリー・エスプリ・ビオ
・シャトー・ド・ボールガール ・デュコート アントルデュメール
・ドゥルト・b ボルドー・ブラン

この中に、“見たことある”とか“飲んだことあるかも”というワインを見つけた方も多いはず。

つまり、ボルドーの多くの生産者が環境に配慮したブドウ栽培、ワイン造りを行なっているという話から、もしかしたら普段飲んでいるボルドーワインもそういったものの可能性があるわけです。

階級、セパージュ、美味しさというような選び方はもちろんですが、今後はどういった取り組みをしている生産者なのか…という観点でもワイン選びをしてみると面白いかもしれませんね。
         
         

詳しく知りたい方はテレビで!

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ここでは、ボルドーの持続可能なワイン造りにおける最新トピックを紹介しました。

当然ボルドーでは、ここでは伝えきれないさまざまな活動を行なっています。

“もっと詳しく知りたい!”という方に朗報。

BSフジにて、『サスティナブル ワイン ~フランス ボルドー ワインの新時代へ ~』が放映されます。
        
          

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出演は、サスティナブルをコンセプトにしたファッションブランドを展開するデザイナーのマリエさん。

彼女が現地まで行き、持続可能なぶどう畑を徹底的に目指す生産者たちの絶え間無い工夫、努力の姿を追いかける、“ボルドーの取り組み”が理解できる番組となっています。

放送は、11月8日(金)24:30~25:00。

ボルドーの今を知りたい方は、要チェックです!!
        
        

ご参考

BSフジ『サスティナブル ワイン ~フランス ボルドー ワインの新時代へ ~』


ボルドーワイン委員会(CIVB)
       
        

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