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豆知識

フランス初!ボルドーが気候変動に適応した新たなぶどう品種をAOC規定に導入!

           
ボルドーワインに出会い、ワインに恋をした。

そんな方も少なくないでしょう。

ボルドーファンはもちろん、ワイン好きであれば知らぬ者はいない超有名産地ボルドー。
先日、ボルドー委員会発表のビッグニュースが飛び込んできました。

なんと、「ボルドーが気候変動に適応した新たなブドウ品種をAOC規定に導入する」というのです。

しかも、こういった取り組みはフランス初なのだそう。
一体どういうことなのか、ここで簡単に解説していきます。
          
            

気候変動に適応するため

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近年、気候変動による影響がさまざまな産地で起こっています。

当然、ボルドーも例外ではありません。

ボルドーのワイン生産者は気候変動への適応戦略として、剪定時期の繰り下げ、より水分ストレスに強い晩熟型ぶどう品種および台木の選定、収穫日の修正および夜間収穫の導入など、さまざまな対策を講じ続けてきました。

そんな中、2019年6月28日に開催されたAOCボルドーおよびボルドー・シュペリュールのワイン生産者連合の総会にて、ついに“新たなブドウ品種7種のAOC規定への導入”が決定したのです。

結果、生産者たちは新たな品種の生産を試みながらAOCワインの醸造を継続して行うことができ、ブドウ畑で見られる気候変動などの変化を把握することで、中長期的な開発の可能性について理解した上での意見を得ることができるようになります。

環境へ配慮した対策をAOC規定を取り入れるべきだ、という生産者たちの思いが通じた今回の新ブドウ品種のAOC規定への導入。

あのボルドーが大きな一歩を踏み出した、というニュースは世界中のワイン産地に影響を与えるかもしれません。
            
            

新品種について

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環境問題については後述するとして、ワインファンとしては“どんな品種がボルドーに加わるのか?”というのが気になるところだと思います。

今回、気候変動に適応し対象となるぶどう品種の候補となるブドウはこういった基準で決められたようです。

■他のワイン生産地で使われている代表的な品種(シラー、ピノ・ノワール、シャルドネなど)ではないもの

■既に公式にフランスで認定されているぶどう品種

■ヴィティス・ヴィニフェラ同士のクロッシング(メルロとカベルネ・ソーヴィニヨンなど同族品種間の掛け合わせ)

■ヨーロッパの規定では今日までハイブリッド品種が禁じられている。

■赤ワイン用・白ワイン用ぶどう品種


結果、承認された品種は…

赤ワイン用4品種
・アリナルノア
・カステ
・マルセラン
・トウリガ・ナショナル

白ワイン3品種
・アルヴァリーニョ
・リリオリラ
・プティ・マンサン


※上記品種は、今後数カ月以内に INAO による最終認定を必要とする。

これらの品種は2020年から2021年にかけて植樹される予定ですので、実際のAOCボルドーなどに使用されるのはそれ以降となりそうです。

ちなみに、ボルドー地方アントル・ドゥ・メール地区のワイン生産者連合でも白ワイン3品種をAOCの規定に取り入れています。
          
            

新たな品種の単一品種ワインができるのか?

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また、“ボルドーでトウリガ・ナショナルの単一ワインができるのか?”と思った方のため利用規定を一部抜粋しましょう。

まず、これらの品種は補助品種として指定されており作付面積は5%まで。また、ワインの種類は問わずアッサンブラージュする場合はこれら品種の総使用量は10%まで、そしてこれら品種のラベルへの記載は認められない、とされています。

要するに、主要品種としてではなく、あくまで気候変動に適応した補助品種として利用することができる…ということです。

今までのボルドーワインの味わいから大きく外れることはなさそうですが、気候変動の影響によりこれから新しい味わいへ進化していく可能性は十分にあるでしょう。
         
            

先を見続けているボルドー

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“ワインはブドウが命”ということを言う方も多いですが、要するにブドウの善し悪しでワインの品質が大きく変わってしまう、という意味でもあります。

近年における各産地の気候と環境の変化は、今まで通り品質の高いブドウを栽培する上で無視することができなくなってきています。

ボルドーでは、平均気温上昇による継続的かつ顕著なヴィンテージへの影響をはじめ、ブドウ栽培生育期間の短期化、さらに熟成により収穫の早期化は過去30年で20日も変化している…という影響が出ているそうです。

現段階のボルドーにおいては気候変動がプラスに働いているものの、この先の気候変動がボルドーワインの特徴に大きな影響を与えるのは言うまでもありません。

前述したように、ボルドーの生産者や関係者はこの状況にさまざまな対策を講じており、安定した品質のワインを継続的に生産し続けられるように努力を続けています。

その中での、新たなぶどう品種をAOC規定に導入という決断。

新境地を開き、未来へ向けて歩み出したボルドーの取り組みを今後も注意深く見守っていきましょう。
            
                

環境問題にも目を向けてみよう

            
ワイン関連の情報を日々収集している方であれば、今コラムで取り上げたような環境問題とブドウ産地のニュースはよく目にしているはずです。

平均気温が上がったために収穫期が早まってきている、地球温暖化の影響で大規模な山火事が立て続けに発生しているとか、新たな産地が温暖化の影響で注目産地になったとか…。

それでも、私たちが普段飲んでいるワインにおいてはさほど変化していないように感じますし、正直他人事…という方も少なくないのではないでしょう。

しかし、あのボルドーが気候変動の影響でAOC規定に新たなブドウ品種を導入するということは、飲み手にとっても大きな衝撃なはずです。

これを機会に、今後は“環境問題”も視野に入れながらワインについて考えてみてはいかがでしょうか。
※品種の特徴など、より詳しく知りたい方はこちら ≫


ボルドーワイン委員会(CIVB)
          
            

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