山梨県にワインのボトリング工場誕生!株式会社カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場に潜入取材してきました!|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

突撃リポート

山梨県にワインのボトリング工場誕生!株式会社カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場に潜入取材してきました!

         
以前、カーヴでは、“【素朴な疑問】ワイン博士 清水健一さんに聞きました!白ワインは何で低温発酵なのか?”というコラムを掲載しました。
※過去のコラムはこちら 》

その中で清水さんが、“山梨県韮崎市にできる、カサ・ピノ・ジャパンのワインのボトリング工場に私も関与している”というようなコメントをしていたのを覚えている方はいらっしゃるでしょうか?(仮に覚えている方がいたらかなり“カーヴ通”です…)

最新鋭の設備を整えて海外から輸入したバルクワインをボトリングするワイン専門のボトリング工場ということで、個人的にかなり気になっていました。(地元の人間としても…)

実はこの工場、6月に完成しており、7月後半頃から稼働し始めたという噂が…。

どうしても内部を見たい…と清水さんに無理を言い続けた結果、先日ついに「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」の内部に潜入することが叶いました。

今回、新たに山梨県韮崎市に誕生した、ワイン専門のボトリング工場「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」についてお伝えしていきます。
          
            

カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場とは?

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「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」は、アルゼンチン・ブエノスアイレスに本社をもつ輸入・販売・代理業の会社「株式会社カサ・ピノ・ジャパン」の自社工場。

韮崎駅から車で約5分、中央道 韮崎ICからもすぐアクセスできる好立地に位置しています。

さらに、同工場はさまざまな企業が入居する、「上ノ山・穂坂地区工業団地」内にあり、南アルプスや八ヶ岳、茅ケ岳のほか、天気の良い日は富士山も眺望可能。

「この工場がある一帯は新宿の高層ビル地帯に匹敵するほどの地盤の固さ。工業団地には新聞社も入っていますし、災害などに強い安全な場所に位置しているんです」と、株式会社カサ・ピノ・ジャパンの代表取締役 黄 怡仁さん。

安全と品質第一の食品(ワイン)を扱うには、最高の環境です。
           
           

何をしているの?

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同工場が手掛けるのは、基本的にコンビニエンスストアやスーパーで売られているカジュアルなワインですが、要するに海外で瓶詰めされたワインをそのまま売るわけではありません。

冒頭でお伝えした通り、「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」はワインをボトリングする工場です。

まず、同工場には輸入された海外の生産者が造ったワインがそのままやってきます。(瓶詰めされていない)

それを亜硫酸調整以外は手を加えず、徹底した品質管理のもとでボトリングされる…という流れ。

低価格でありながら高品質な海外産ワインを国内工場で徹底して品質管理した後に出荷されることになるため、今まで以上に輸入ワインを安全に飲めるようになるわけです。

ちなみに、同工場ではアルゼンチンで造られたワインに何か手を加えてボトリングするわけではないため、「アルゼンチンワイン」として売ることができます。

国内で安全面に考慮してボトリングはされているのですが、正真正銘ここから出荷されるのは輸入ワイン。

「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」は商品の“安全性”を厳しく評価する日本人にとって、嬉しい仕事をしてくれる貴重な場所なのです。
          
             

工場内に潜入!

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さて、今回は特別に「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」の内部に潜入することが許可されました。(潜入になっていないような気もしますが…)

一体、この場所では何が行なわれているのか、工場長の山田恭平さんに案内してもらいました。
           
              

タンク内で徹底した温度管理!

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まず案内されたのはタンク室…と思いきや、屋外。タンク室の外側の壁には専用ボックスが設置されており、ワイン液を積んだトラックから直接ホースで繋ぐことができるようになっていました。

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タンク室には、25KLが2基と10KLタンクが1基用意されており、徹底した温度管理のもと搬入されたワイン液が管理されます。また、このワイン液は1時間ごとにサンプリングして比重やアルコール、酸、遊離亜硫酸、総亜硫酸などをラボで分析。徹底した安全対策が講じられています。
          
            

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らせん階段を登ってタンク上部へ行けるのですが、フタを開けて上からまきじゃくを使用して搬入したワイン液のリッター数も正確に計るそう。書類上に記載している数値としっかりと合っているかなど、ここでもしっかりと検査が行なわれます。
            
            

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温度管理はもちろん、亜硫酸を均一にするためにタンク内で撹拌したり、使用後のタンクの洗浄設備も高性能なものが揃えられているなど、充填前の時点でも徹底した管理がなされていることがわかりました。
           
        

第一充填室へ

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次は第一充填室へ。
その前に来訪者は白衣と帽子をかぶり、靴も変えます。(社員さんは専用の紺の作業着を着るようです)コロコロで埃をとり、手洗い、そしてエアシャワーを浴び、二重のセキュリティロック付のドアを抜けて充填室へ入ります。
           
           

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第一充填室は内部が陽圧になっており、虫などが入らない工夫がされています。
さらに、この室内にあるビン洗浄機(リンサー)、充填機、キャッパーは陽圧のクリーンブースで被われています。(ここでも2重の安全対策がなされています)

まず、タンク室からやってきたワイン液は殺菌、冷却されます。65℃で2分加熱殺菌したあと30℃に冷却、そして、念のために、白は0.45ミクロン、赤は1.2ミクロンのメンブレインフィルターで酵母や細菌を除去して充填されるとのことです。(菌対策が2重になっています)
                     
           

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ワインを加熱すると味が落ちる…と不安になる方も多いでしょうが、この上げて直ぐに冷却する…という技術により著しく品質が劣化することはありません。

ちょっとしたことなのですが、ここが「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」のこだわりでもあるのです。

また、万が一機械の故障や不具合などがあってうまくいかなかったものは、充填されることはないそうなので安心ですね。
         
              

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さて、ワイン液の品質管理はもちろんですが、それを入れる瓶の管理も徹底されていました。洗瓶機で使用する洗浄用水も0.45ミクロンのフィルターを通して無菌状態にし、口部分が欠けていないか徹底チェックされ、窒素なども入れられワイン液が充填されます。

その後、キャップ締めが行なわれるのですが、とにかくここまで一切空気に触れない(酸化させない)工夫がされている上に、搬入時のワインよりさらに安全性が高まるように進められているのは驚くべきことです。
            
              

第二充填室へ

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次に、第二充填室へ向かいます。
ここへは、倉庫を通っていくのですが、キレイに資材と出来上がったワインが区分けされていました。
           
           

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また、倉庫はフォークリフトが行き来するそうですが汚染区域ということで、第二充填室(準衛生区域)には入ることができないようになっていそうです。また、木のパレットの使用禁止や従業員のアクセサリーなどの着用についてなど、衛生面に徹底した管理体制を講じているところも印象的でした。

さて、第二充填室では、第一充填室で充填されたワインのラベル貼りなど主にパッケージングが行なわれる場所のようです。
             
            

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瓶についた水滴を飛ばし、検品灯による異物チェックが行なわれます。ちなみに、赤ワインには赤いプレート、白ワインには白いプレートをかぶせて検査が行なわれるのだとか。(面白いですね)そして、キャップシールにラベル貼り、さらに仕上げた時間やロット番号もしっかりと印字される徹底ぶりです。
            
          

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そして機械によるダンボール箱の組み立てが行なわれた後、仕切りを入れ、ロット印字やシール留が行なわれます。
           
            

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最後は重量を計ってしっかりとワインが正しく入っているか確認し、パレットに積まれて人力のフォークリフトで倉庫へと運ばれていきます。
          
          

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ワイン液をただ瓶詰めするだけの工程とはいえ、かなり高性能な設備(例えば、充填機はイタリアメーカー『Bertolaso製』など…)が揃えられており品質管理に最大に力を注いでいることがわかりました。
          
           

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ラボラトリーへ

          
さて、「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」がどれだけ品質管理にこだわっているのかお分かりいただけと思いますが、その要となるのがラボラトリー。

品質保証部 部長の原武さんに簡単に案内してもらいました。

ここは、搬入されたワイン液から充填中、最終的な瓶詰め終了後のワインまでの、“始めから終わりまで”の全ての工程で品質管理が行なわれている、まさに同工場の心臓のような場所。
            
            

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基本的には、アルコール度数や亜硫酸濃度、総酸、pH、微生物検査などを行なっているようです。
          
           

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搬入されたワイン液を、0.45ミクロンのメンブレンフィルターなどを使って濾過し、微生物の検査をしたり、随時アルコール度数が規格範囲内かどうかも調査。(平均して、赤ワインは13%、白ワインは12%くらいだそうです)

亜硫酸も、ワインから、二酸化硫黄として揮発させて、過酸化水素を使用して測定を行い、適正な数値になっているのかこと細かに検査しているのだそうです。
            
             

防虫対策がすごい!

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工場内をいろいろと案内してもらっている最中、とにかくいたるところで、「防虫対策」が徹底していることに気がつきました。

ワインの製造現場を訪れたことがある方はお分かりかもしれませんが、コバエなど、ワインには虫が大量によってきます。

品質の変化はもちろん、市販されているワインに虫が入っていたら大変なことになることくらい、誰でも簡単に想像できるでしょう。

例えば、前述のように、第一充填室などは内から外に空気が出るようになっているなど、虫の侵入がしっかりと防がれています。

また、防虫LEDライトの設置や防虫ビニールカーテン、防虫高速シートシャッターなども完備。

防虫モニタリングと衛星害虫防除定期点検も実施しているそうで、とにかく「虫」対策に抜かりはありません。ワインの製造となると品質ばかりに目が向きがちですが、「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」ではしっかりと防虫対策も行なわれているので安心できますね。
             
             

清水健一さんにインタビュー

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今回訪れた「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」の立ち上げに深く携わったワイン博士こと、清水健一さん。今後、どのような展開を考えているのかお聞きしてみました。


Q.今回、清水さんはどんなところに携わられたのでしょうか?

「いろいろと携わっていますが、基本的には設備の選択、レイアウトの提案などですね。」


Q.人員も清水さんが?

「そうですね。私が優秀で信頼できる人材に声をかけて来てもらいました。パートの方もハローワークに募集をかけて集めました。」


Q.7月にボトリングを行なった後、今は動いていますか?

「7月に一度、赤ワインと白ワインを瓶詰めしました。行き先が決まっていないものは保管されていますが、少しずつ販売されています。まぁ、これからですね。あと、海外から入ってくるのは最低でも2ヶ月程度はかかりますから。立ち上げたばかりで密に動かしてもミスなどが起こりやすくなるでしょうし、しっかりと皆で準備をしながら次に備えているところです。」


Q.海外産ワインでなく、国内でも考えていますか?

「ある程度以上の量であれば、国内のワインも充填することはもちろん可能です。積極的に声をかけているわけではありませんが、すでに話をしているところはありますよ。」


Q.それも面白いですね。醸造はしないんですか?

「製造免許を申請するので、年内には取得できると思います。ちなみに、ボトリングだけなら製造免許はいりません。」


Q.そうなると、さらに設備が増えますか?醸造家も呼ばないとならないですよね?

「ええ。醸造設備も増やす予定です。時期が時期なので、最初は濃縮果汁でしょう。醸造家の話ですが、そもそも部長の原は濃縮果汁発酵のプロ中のプロですし、私もいますので。」


Q.工場内を見て回ったところ、品質管理にこだわっている印象を受けました。

「異物が混入しないこと、事故が起こらないことが重要です。それは、徹底してやりましたね。取引先にコンビニやスーパーが多いので、一度何かあったら大変です。逆に、うちでボトリングされたワインは安全だ、と考えてもらってもいいですね。」


Q.今後、考えていることがあれば教えてください。

「この、『カサ・ピノ・ジャパン』は台湾にも会社があります。そのため、台湾に輸出してあちらのコンビニなどと取引してみたらどうか、と考えています。国内はもちろんですが、海外も視野に入れていますよ。」
         
            

新しいワインの世界を知るのも面白い!

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今回、山梨県韮崎市にできた「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」に潜入取材し、その内容をお伝えしてきました。

私たち日本人の場合、店鋪で購入できるワインは100%安全で健全であると思ってしまいがちですが、ワインは酸化しやすく(劣化しやすい)、健全な状態で店頭へ持ち込むのがとても難しいお酒のひとつでもあります。国内産ならとにかく、海外産となればさらにリスクは高まるでしょう。

「ワインは、他のお酒に比べて本当に難しく気を使うお酒です…」と、さまざまな酒類を手掛けてきた部長の原さんも言っていましたが、コンビニやスーパーで購入する手軽なワインであればあるほど、消費者は「安全」を求めその商品を手に取ります。

この、「安全」というところに真摯に向き合い、さらに惜しみなく内部を明かしてくれた、「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」。

自分たちがボトリングするワインの品質に自信を持っているからこそ、できることだと思います。

今後、コンビニなどでワインを手に取り裏ラベルを見てみましょう。そこに、「カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場」と記載されていれば、間違いなく安心してワインを楽しめるはずです。

ボトリングされた場所を見てワインを購入する。なんだか、新しいワインの楽しみ方になりそうですね。


ご参考

           
株式会社カサ・ピノ・ジャパン 韮崎工場

住所 山梨県韮崎市穂坂町宮久保1178番3

TEL: 0551-45-8960

FAX 0551-45-8970

株式会社カサ・ピノ・ジャパン
       
           

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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