【第一回】日本が誇る日本産ホップ「ムラカミセブン」とは!?生みの親のホップ博士こと村上敦司さんにインタビュー!|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

突撃リポート

【第一回】日本が誇る日本産ホップ「ムラカミセブン」とは!?生みの親のホップ博士こと村上敦司さんにインタビュー!

          
以前カーヴで、「だからグランドキリンは美味しい!ディップホップ製法の秘密と最新研究を聞いてきた!」という記事を掲載しました。(※コラムはこちら ≫

ホップのことやキリンが独自開発した「ディップホップ製法」のこと、「ディップホップ製法と発酵の関係」という研究が、国際的な醸造系学会「Brewing Summit(ブリューイングサミット)」で発表されたことなどについてお伝えしたのですが…その中で「ムラカミセブン(MURAKAMI SEVEN)」という希少な日本産ホップについて軽く触れています。

それから数ヶ月後の6月末、そんな「ムラカミセブン」を使用したクラフトビール「MURAKAMI SEVEN IPA」が登場しました。

それを試飲する機会があったのですが、柑橘の香りやイチジクの香り、マスカットといった香りが特徴的なのですが、とてもエレガントで、“美しい”印象のビールだったことを覚えています。

“このホップを生み出した人に会いにいきたい!”と思い出したらいてもたってもいられず、結果的に横浜市鶴見区生麦にある、「キリンホールディングス 酒類技術研究所」に直行。

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「ムラカミセブン」の生みの親、“ホップ博士”こと村上敦司さんにお会いしてきました。


「ムラカミセブン」のことはもちろん、日本産ホップや村上さん自身についてなど、さまざまなお話をざっくばらんにお話いただきました。

ワインファンにこそ見てほしいホップとビールの世界。ぜひ、最後までお読みください!
         
           

Q.まず、村上さんのキャリアについてお聞かせください。

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「私は今年、56歳。生まれも育ちも岩手県で、大学院を出た後キリンビールに入社しました。当時、“ホップの品種改良”の仕事を担当することになったのですが、ホップのある畑は栃木や岩手、福島。やっと都会に出られると思ったのですが、“また地方に行くのか?”という思いでした。」
          
             

Q.ホップの品種改良からキャリアがスタートしているのですね。

           
「ホップの畑の管理や栽培、品種改良などやっているうちに、“日本産ホップはもうしなくて良い”ということになり、1996年に研究所へ配属されて今に至ります。ちなみに、その間の4年間は工場勤務も経験しています。工場勤務とはいえ、お客さまの見学用に栽培しているホップ畑が荒れていたことから、当時の工場長に“これをどうにかしなさい”と言われたので、主に畑仕事をしていましたね。つまり、工場勤務の頃もホップに携わっていたことになります。」
          
            

Q.今やホップ博士の村上さんですが、ホップに惚れ込んだきっかけは?

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実は、最初からホップに惚れ込んだわけではなく、後になっての話なんです。先ほど工場勤務時の話をしましたが、畑はとにかく夏暑いんです。汗だくですよ。当時の研究所は植物開発研究所という場所なのですが、細胞などを扱うバイオ関係の花形の仕事があるんです。その裏で、僕はひたすら畑作業。正直、“何だかな…”と思っていました。」
            
            

Q.ひたすら畑仕事、という時期もあったんですね。

             
「4年くらい経った頃、私にいろいろと教えてくれていた師匠が定年退職で辞めたので一人立ちしました。自分で交配して種をとり、それを畑に植える。すると、いろいろなタイプのホップが分離してできてくるんです。香りもそれぞれ全然違いますし、この頃から、“ホップって面白いな”と思えるようになってきました。」
              
              

Q.ホップの魅力に徐々に惹かれていったんですね。

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「そして、1999年。生のホップを使ったらどんなビールができるのか、ということを考えたんです。そして、誕生したのが〈毬花(まりばな)〉というビール。現在の、〈一番搾り とれたてホップ 生ビール〉の原型になっている商品です。その時、はじめて商品に深く携わったのですが、この時に忘れられない原体験をしました。」
              
           

Q.原体験?

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「当時、山手線内に〈毬花〉の中吊り広告が入っていました。私が電車で帰宅途中、目の前にいた二人のサラリーマンの会話が耳に入ってきたんです。恐らく上司と部下の関係だと思いますが、上司が部下に向かって、“おい、このビール知ってるか?岩手の遠野のホップを使っているやつで香りが良くてスゴくうまいんだよ!”と言っているではありませんか。自分の自慢をしてくれているようで、鳥肌レベルで嬉しかったですね。」
         
           

Q.それはスゴい体験ですね…。

          
“俺は、こういうことのために仕事をしているんだ。”そう思えた瞬間でした。それ以来、お客さまが美味しいと思うことはもちろん、“お!?”と驚き、喜んでもらえるような仕事を目指し続けています。」
           
          

Q.〈毬花〉自体、すごいセンセーショナルなビールでもあったんですね。

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「この商品の画期的なところは、“香り”に注目したところです。それまでのビールは、“苦み”に焦点が当てられ、香りは二の次といった感じでした。そこにホップの香りがしっかりとする商品を出したわけですからね。ここから時代が変わったかな、と思っています。」
           
            

Q.ただ、新しい商品だけに商品化が大変だったのではないでしょうか?

           
「1999年に初めて実験をしたのですが、すぐに商品化したわけではありません。最初は社内で、“ホップの香りではなく、ホップ臭だ!”という評価もありましたし、“すごい面白いビールだ!”と評価する方もいました。毎年、繰り返し試してもらっているうちに後者の方がどんどん増えていき、最終的に商品化しようという流れになったんです。生のホップは費用もかかりますし、最初から説得にいかなかったことが功を奏したのかもしれませんね。共感を求めていった。このやり方が良かったのでしょう。」
         
           

第一回目まとめ

         
第一回では、村上さんのキャリアについてお聞きしました。第二回では、「ムラカミセブン」についてお聞きしています。
         
            

関連コラム

        
【第二回】日本が誇る日本産ホップ「ムラカミセブン」とは!?生みの親のホップ博士こと村上敦司さんにインタビュー!

【第三回】日本が誇る日本産ホップ「ムラカミセブン」とは!?生みの親のホップ博士こと村上敦司さんにインタビュー!
           
             

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