フォクシー・フレイバーについて知ろう!|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

豆知識

フォクシー・フレイバーについて知ろう!

              
日常的にワインに触れている方であれば、一度は「フォクシー・フレイバー」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。
一部の海外産ワインだけでなく、多くの日本ワインはこのフォクシー・フレイバーが最大の特徴といっても過言ではありません。

ワイン好きであれば知らぬ者はいないこのフォクシー・フレイバーですが、具体的にどの香りのことを指しているのでしょうか?

今回は、フォクシー・フレイバーについて深堀りしてみたいと思います。
            
             

フォクシー・フレイバーの語源は?

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フォクシー・フレイバーとは、アメリカ系ブドウ品種「ヴィティス・ラブルスカ系の交配品種」に存在する香りです。

グレープジュースのような甘い香りが特徴的で、この香りがするワインに対して、「フォクシー臭がする」などと言う方もいます。

日本語では、「キツネ臭」と略されることが多いため、“キツネから発せられている何らかの香り”と思っている方も少なくありません。
ただ、キツネを抱っこして嗅いでみたり、飼育しながら調査したわけではないのでわかりませんが、この説はどうやら違うようです。

また、有力と言われていた「近代、この香りについて言及した人がフォックスさんだったから説」も、アメリカの歴史を解説している「A history of wine in america」の中に、1600年代前半頃にバージニア州で生息していたブドウを「フォックス・グレープ」と呼んでいたという記述があったことなどから、古くから間違いであると指摘されています。
※少し古いですが、もっと詳しく知りたい方はこちらで知識を仕入れてみてください。
kanitonekoの科学的小ネタ


そもそも、先にフォックス・グレープというブドウがあったことが始まりということですが、なぜフォックス・グレープと呼ばれているかは、まだ謎なのだそうです。

とにかく、キツネのにおいとか、フォックスさんが見つけたという説は怪しいので、ワイン初心者の方々にあまり下手なことを言いふらさない方が良いかもしれません。
              
             

フォクシー・フレイバーってどんな香り?

16817さて、ここからは本題であるフォクシー・フレイバーの香りについてです。

「これ、フォクシー臭しますね」と、日本ワインをテイスティングしながら言う人は多いですが、具体的にどの香りを指してそう言っているか、これだけではよくわかりません。

ここでは、もう少し還元的な方法でフォクシー・フレイバーを理解していきましょう。

フォクシー・フレイバーの代表的な香気成分はこちらです。

・アントラニル酸メチル

・アントラニル酸エチル

・o-アミノアセトフェノン

・フラネオール

・4-メトキシ--2,5-ジメチル-3-フラノン

・3-メルカプトプロピオン酸エチル


これだけだと、よく分からないので、これらが実際にどのような香りに例えられているか見ていきます。

ジャスミン、コンコードブドウ、オレンジブロッサム、マスカット、グレープ、イチゴ、パイナップル、ソバ、トマト…などです。

特に、フラネオールはフォクシー・フレイバーの重要な役割を持っており、マスカット・ベーリーAにおける重要な香気成分とされています。

※こちらも少々古い情報ですが、以前カーヴが行ったインタビューの中で、「広島三次ワイナリー」ではマスカット・ベーリーAが持つフラネオールを強調するため、MC法を採用することもあると語ってくれました。(過去のコラムはこちら)

どれか一つが突出していたら、フォクシー・フレイバーというわけではなさそうですが、これらの香りが複雑に反応し合うことで、特有の香りになっていることは間違いなさそうです。


ちなみに、面白いのがブルゴーニュのピノ・ノワールにも、アントラニル酸メチルやアントラニル酸エチルが少量含まれているそうです。日本人に、ピノ好きが多いのと何か関係があるのかもしれません…。
              
              

和食とのフォクシー・フレイバーの相性は抜群!?

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さて、フォクシー・フレイバーの香りについて何となく掴めたところで、次は料理とのペアリングについて考えてみたいと思います。

あれだけ細かく香気成分を出しておきながらアレですが、あらためてフォクシー・フレイバーのするワインをひと言で言うと、“グレープジュースのような甘い風味を持つワイン”です。

料理を食べる際、グレープジュースと合わせるというのは想像し難いですし(人それぞれの好みですが)、いい相性のものなど存在しないようなイメージを持ってしまいます。

しかし、フォクシー・フレイバーを香らせる日本ワインは和食との相性が良く、むしろ繊細な料理との相性だったら、海外産ワインよりずっと良いとされているのが面白いところです。

勝手な仮説ですが、まず日本酒は、ある意味ワインよりも甘くフルーティーな香りがありながら、どんな料理にも合う酒として紹介されていますし(実際は違うでしょうが)、口内に広がる甘いフレイバーのお酒と料理を合わせるということに、私たちの舌が馴れているということも考えられます。

さらに日本人の心の味「ダシ」にも、実はマスカット・ベーリーAなど、フォクシー・フレイバーに関与する香気成分が含まれており、詳細まで調べていませんが、もしかしたらほか和食の調味料や食材にフォクシー・フレイバーの要素がさりげなく含まれているのかもしれません。

ちなみに、香りとは関係ないかもしれませんが、以前キッコーマンが味覚センサーを使用した海外産ワインと日本ワインの味わいの強さの違い、ペアリングする料理の研究について取材しましたが、和食の調味料と日本ワインが持つ複雑味やボディ感、酸味、旨味の数値が一致したということで結論づけられていました。(白ワインは甲州だったのでアレですが…)※過去のコラムはこちら


同じ大地で育ったもの通し、魂が共鳴し合っている、という考え方も好きですが、少しこういった側面から和食と日本ワインの相性も考えてみると面白いかもしれませんね。
            
              

なんだかんだ叫んだって…うまい!

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以前は、「かぁぁ…!これだから日本ワインは…」という声を発していた方をよく見ましたが、近年日本ワインへの理解が進んでいるのか、フォクシー・フレイバーに肯定的な意見を持っている方も増えてきている気がします。

個人的には、山梨県出身ということもあり、こういったワイン(高品質なものもふくめて)を飲んだとき、正直とても懐かしい気持ちになります。

なぜかよくわかりませんが、美味しいとか不味いとか以前に「日本人で良かった~」と思う瞬間でもあり、無条件に美味しいと感じるのです(完全にバイアスかかってます)。

マスカット・ベーリーAなどは、フォクシー・フレイバーの香りをネガティブと捉えずに、より前に出していこうという造り方になってきていますし、良い傾向なのだと考えます。

まだまだ分かっていないことも多いフレイバーなのですが、苦手な方や海外の方にしっかりと理解してもらえるよう、無理強いしない程度に努力していきたいと思います。
               
             

参考

         
・ワインの香りの評価用語 -後藤奈美

・スウィーティオパイナップルの香りに寄与する成分

・かつお節の香りに寄与する重要香気成分-斉藤司
           
             

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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