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豆知識

自分は飲める体質か否か!?アルコール分解経路を知って飲み会の時期を乗り切ろう!

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春の陽気に誘われ、何かとお酒を飲む機会が増えるこの時期。

付き合いの多い人は、週に何度も飲み会に参加せねばならず、ヒット曲を出した歌手の年末スケジュールのような日々を送ることになるかもしれません。

一方、美味しいお酒(ワイン)は好きだけどあまり飲むことができず、飲み会の日が億劫だ、という方や、ほとんど飲めないのに、キャラクター的に“飲めるフリ”をして人間関係を崩さないよう努めるなんて方も…。

同じ人間なのになぜこうも飲める人、飲めない人と分かれてしまうのでしょうか。

実は、体内で起こるアルコール(エタノール)の分解能力の違いが関係しています。ここでは、分かりやすくアルコールの分解能力について解説していきます。

「何で、あなたはそんなに飲めるの?飲めないの?」と聞かれたとき、バッチリ答えられるようにしておきましょう。
           
               

そもそも「酔い」とは?

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そもそも、お酒をあまり飲めない方もいるのに、なぜ私たちはお酒を飲み続けるのでしょうか。
人間関係を深めるとかワインの香りを楽しむとか、ビールの喉越しを得たいとか、そういった方もいるでしょうが、“酔い”がもたらす快楽を得るため、という方がほとんどです。

お酒を飲んだ時の影響について、以前アルコール依存症のコラムでも紹介しましたが(※詳細はこちら)ここではその回路を簡単に解説します。

まず、アルコールを飲むと中枢神経に対する抑制作用が起こるため、酔いの状態になります。

その理由のひとつが、エタノール分子が、神経細胞表面に存在する神経抑制性の神経伝達物質GABA(γ-アミノ酪酸)※が結合する受容体に結合するため、GABAが無い状態であっても、エタノール分子がその機能の代わりをして神経細胞の働きを低下させるからです。

※GABA(γ-アミノ酪酸)…主に脳幹よりも吻側の中枢神経系の抑制性シナプス伝達を担うアミノ酸。-脳科学辞典より-

また、エタノールは神経細胞の細胞膜に作用し、構造を変化させるため細胞内にカルシウムイオンの取り込みが低下するため、カルシウムを必要とする神経細胞の各種生理機能が阻害します。

エタノールがもたらす作用については完璧に解明されているわけではありませんが、大きくこの二つの作用が起こることにより、神経細胞の働きが低下し、酔いが起こると考えられています。
            
              

エタノール分解過程

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酔う、というシステムの基本が理解できたところで、次は本題のアルコールの分解についてです。

健康に注意している方やお酒の仕事をしている方であれば、一度は勉強したことがあると思いますが、そのシステムは意外にシンプルです。

大雑把に解説すると…

アルコール(エタノール)を摂取

アセトアルデヒド

酢酸(別回路では、アセトイン)

水、二酸化炭素

大量エネルギー生産経路

という一連の流れが体内で起こります。

では、もう少し詳しくこの分解経路を見ていきましょう。

アルコール(エタノール)を摂取

アルコール脱水素酵素(ADH)-エタノールをアセトアルデヒドに変化させる酵素-

アセトアルデヒド

アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)-アセトアルデヒドを酢酸に変化させる酵素-

酢酸

水、二酸化炭素

大量エネルギー生産経路

お酒が飲める人、飲めない人は、この分解経路の進み具合に違いがあるということになります。
              
             
              

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ちなみに、嘔吐してしまった時に口内が酸っぱく感じるのは、アセトアルデヒドが酢酸に変化される過程があるためです。(酢の物を大量摂取した場合は別か…)

この過程がスムーズに行く方と行かない方、さまざまな方がいるため、お酒に強い人や弱い人がいるというわけです。
             
              

アルコール感受性遺伝子

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さて、アルコールに強い、弱い方は前述した分解経路の進み具合などが関連するとお伝えしました。

実は、そこにはアルコール感受性遺伝子が関係しています。

まずは、ADH1B遺伝子(アルコール脱水素酵素)という遺伝子。

アルコールをアセトアルデヒドに変化させるADH1Bの遺伝子体質は、「低活性型」「活性型」「高活性型」の3つタイプがあり、そのタイプによって「飲める体質」か「飲めない体質か」が分かれます。

ちなみに、このADHなのですが、欧米人よりも日本人の方が活性が高いことで知られています。欧米人はお酒に強いイメージですが、日本人の方がアルコールをアセトアルデヒドに分解する力は早いようです。

後述しますが、このADH活性が低い方の方がアルコール依存症になりやすい、と考えられています。飲めるから、ということで調子に乗っていると、思わぬ落とし穴があることを示唆しています…。

さて、このADH1B遺伝子も重要な遺伝子なのですが、お酒に強い、弱いを考える時にはアセトアルデヒドを酢酸に分解するALDHの方が重要視されています。

ここに、お酒に強い、弱いという秘密が隠されています。
              
                 

ALDHについて

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日本人は欧米人に比べて、お酒に弱い…というイメージが強い方もいるかもしれません。そこには、アセトアルデヒド分解酵素が関係しています。

アセトアルデヒド分解酵素には、活性が弱いALDH1の1型と活性が強いALDH2の2型がありますが、重要なのはこのALDH2遺伝子のようです。

この、ALDH2には活性が強い「ALDH2-1」と活性が弱い「ALDH2-2」があり、両親から一つずつそれを引き継ぎます。

ALDH2-1×2

ALDH2-1&-2

ALDH2-2

というグループに分かれており、自分がどのグループに属しているかで、お酒が飲めるか飲めないかということが判別できます。

しかし、これでは良く分からないので、簡単にまとめてました。

「ALDH2-1」=活性型(A)
「ALDH2-2」=不活性型(B)

AA=酒が強い
AB=酒がまあまあ飲める
BB=全く飲めない

BBの人でも多少酒を飲める人がおり、前述したアルコール分解経路の別経路「MEOS経路」の代謝が関わっていると言われています。しかし、BBの方は無理をしない方が身のためでしょう。
              
              

アセトアルデヒドが悪酔いなどに関連?

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さて、なぜアセトアルデヒドの分解酵素が不活性だとお酒を飲めないのでしょうか。

まず、アセトアルデヒドが分解されず体内に溜まると、薬理作用で頭部に血管拡充を起こすため顔などが赤くなります。

また、アセトアルデヒドは毒素なので、吐き気や呼吸促拍などを引き起こす可能性があり、悪酔い、二日酔いの犯人とも言われています。

そのため、アセトアルデヒドの分解速度が早いAAの人の中に、「昨晩、あれだけ大活躍したのに、なぜ朝からスッキリしているんだろう…」という方がいるのです。

ちなみに、ABの方はお酒は飲めるのですがアセトアルデヒドの分解が遅いため、飲酒中に具合が悪くなったり、二日酔いを起こしやすいと考えられますし、BBの方がアルコールは飲めるには飲めるけど、すぐに具合が悪くなるのはこういった理由があるからかもしれません。

ただし、AAの方でアルコールからアセトアルデヒドに分解する酵素が不活性な方(欧米人に多い)場合、アルコールが体内に依存する時間が長く、さらに具合が悪くなることがあまりないので、アルコール依存症になりやすいと言われています。注意しましょう。
               
                

自分はどうなのか、簡単に検査可能!

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ここでは、お酒に強い方、弱い方についてアルコールの分解経路などを用いて解説してきました。

ただし、理屈は分かったとしても、自分は何型だ?ということが分からなければ意味がありません。

手軽なところで、数値を計算していく「TAST」と呼ばれる東大式ALDH2表現型スクリーニングテストなどがありますが、主観も入るのでしっかりと検査したもらった方が良いでしょう(自分はAAだと思っていますが、ABだと酒を控えないとヤバいです)。

保健医療機関 医療法人社団 如水会 今村病院などで、アルコール感受性遺伝子検査キットを購入することができるので、気になる方は専門医院でしっかりとチェックしてもらってください。(URLは下記に記します)

「ちょっと、お酒に弱いんで…」と伝えても、「またまた〜!俺たちと飲むの、嫌なんでしょう?」という人が、未だにいると良く耳にします。

「その証拠に…(バン!!※診断書を置く)私、アセトアルデヒド分解酵素が不活性なんです!」と言ってやりましょう。

相手が理解できるかは不明ですが、ある程度の抑止力にはなるでしょう。

とはいえ、皆さんも大人ですので場の雰囲気を壊さず、やんわりとお断りをするための口実として、診断結果を上手に活用いただくのがおすすめです。

お酒を飲む機会が増えるこれからの時期、自分の体と相談しながら、これからも適正飲酒を心掛けてください!


保健医療機関 医療法人社団 如水会 今村病院 
アルコール感受性遺伝子検査キット
            
              

参考

           
アルデヒド脱水素酵素 2 ( ALDH2 )の構造・機能の基礎と ALDH2 遺伝子多型の重要性-松本明子 著 - ‎2016

飲酒様態に関与する遺伝子情報-原田勝二 著 - ‎2001

アルコール代謝の遺伝的個人差-S Harada 著-1997
             
               

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。
ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。
ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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