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突撃リポート

田辺由美さんに聞く!日本の女性だけによる国際ワインコンペティション「サクラアワード」とは!?~前編~

日本の女性だけによる初めての国際ワインコンペティション“SAKURA” Japan Women's Wine Awards(通称サクラアワード)

ワイン好きであれば、知らない者はいないだろうアジア最大級のワイン審査会です。

いつも、“サクラアワード”の文字やシールを目印にワインを購入している“サクラファン”も少なくないと思いますが、そもそも「サクラアワード」とはどんなワイン審査会なのでしょうか。

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今回、「第6回サクラアワード2019」の開催を前に予習しておきたい、ということで同アワードの審査責任者である田辺 由美さんにお話をお聞きしてきました。

サクラアワードとは、どのように審査が行われているのか、そして思い出深い過去のエピソードなど、田辺さんが語ってくれたさまざまなお話をお届けします。
                
                   

Q.サクラアワードとは?

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「サクラアワードは、審査員が全て女性というユニークなコンクールです。
審査員の方々はソムリエやレストラン、流通、ワインショップで働いているなど、現役でワインのお仕事をされている女性の方たちです。」
              
                

Q.審査方法は?

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「審査員の方々にお知らせするのは、ワインの“ブドウ品種”、“ヴィンテージ”、“大体の価格帯”だけ
つまり同じシャルドネでも、それがチリなのか、ブルゴーニュなのか、カリフォルニアなのか、日本なのか、そういったことは分からないようになっています。」
                
                    

Q.サクラアワードを開催するきっかけとは?

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「サクラアワードの開催を考えたのは、10年くらい前になります。日本のソムリエ資格(※)保有者なのですが、約4割は女性で、ワインエキスパートともなると約6割が女性です。
こういった日本の状況の中で、ワイン業界で働く女性たちと一緒に何かできることはないだろうか、と思ったことがきっかけでした。」
※一般社団法人日本ソムリエ協会認定のソムリエ資格
                          
               

Q.どのような目的があったのでしょうか?

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「私たちの活動によって、ワインの消費量が伸びたり、ワイン文化が広がったり、東京などの大都市だけではなく、地方を含めた日本全体にワインの楽しみを広げていけないか、と考えていました。

今も自宅でお夕食を作ったり、スーパーに行って買物をするのは女性が多いですよね。そんな時、何を目安にワインを選べば良いか分からないという方も多いと思うんです。
そんな時、プロの目線、プロの舌で選んだワインがその場にあれば、東京や地方を含めてワインが広がって行くのではないかと思ったんです。」
             
              

Q.それで女性だけのコンクールを?

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日本人1人あたりの年間ワイン消費量を5リットルにするという私の目標のためには、家庭で気軽にワインを飲んでもらう必要があります。

日本の家庭での食事に合うワインを選べるのは、日本人です。
私は世界各国で開催されるワインコンクールに参加する機会も多くありましたので、その経験を活かした発想で、“日本の女性たちだけで、ワインコンクールをしましょう”ということにしました。

この活動が日本の食卓にワインが1本でも多くあらわれるきっかけになってくれるのではないかと思い、サクラアワードをスタートさせたのです。」
               
              

Q.これまでの開催で印象深かったエピソードはありますか?

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「素晴らしいエピソードは数多くありますが、印象深かったのは、『The Best Woman Winemaker(女性ワインメーカー賞)』で選ばれた女性醸造家の方々とのエピソードです。
これは女性がワインメーカーであるワインの中で、最も点数が高かったものに贈られる賞で、まだまだ男性社会のワイン造りの世界で頑張っている女性の生産者を応援しよう、というものです。

第1回目から設けている賞なので、今までに5人の受賞者がいるのですが、この方々のワイン造りへの思いや経歴などの話を聞くと、ワイン業界で頑張っている同じ人間として共感する部分が多くありましたね。」
                                       
                

~女性ワインメーカー賞のエピソードについて~

今回、田辺さんが語ってくれた女性ワインメーカー賞の受賞者たちとのエピソード。
サクラアワードでは、こんな素敵な出会いがあるんだな、と思えるお話でしたので紹介していきます。
              

第1回目

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ドメーヌ アンリ ノーダン-フェラン/ブルゴーニュ オート コート ド ボーヌ ブラン べリース

≪ダブルゴールド&ダイヤモンドトロフィー & Best Wine Women winemaker 受賞ワイン≫


「第1回目で、『女性ワインメーカー賞』に選ばれたのは、ブルゴーニュのクレール・ノーダンさんでした。そこまで有名なアペラシオンではない場所なのですが、父から譲り受けた畑でワイン造りをしている女性でした。

旦那さまもワイナリーをやっていたのですが、彼女の父親が亡くなってしまったことで、両方の畑でワイン造りを行うことになってしまったんだそうです。
自分の父親の畑を手放そうか迷っていた矢先、この賞の受賞が決まったので、私がブルゴーニュに直接トロフィーを渡しにいったんです。その時、彼女は『この畑を売らなくて良かった。これかも、両方の畑を続けていきます!』と力強く話してくれました。」
                                 
                

第2回目

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ファットリア カルピネータ フォンタルピーノ/フォンタルピーノ キアンティ クラシコ リゼルヴァ

≪ダブルゴールド & ダイヤモンドトロフィー & The Best Woman Winemaker 受賞ワイン≫

「第2回目は、イタリアのキャンティ・クラシコの生産者ジョイア・クレスティさんでした。

この方は家族みんなが建築家という家庭に育ったのですが、父親が亡くなった後に畑を譲り受けます。
この畑でブドウ栽培、ワイン醸造をしたいと言うのですが、母親は大反対。キャリアを捨ててまで、何を考えているんだ!と激怒され、半年間口を聞いてくれなかった、というエピソードを語ってくれました。

しかし、そんな最中にこの賞を受賞。今では、彼女はキャンティでも有数の有名生産者になっていますよ。」
                  
                    

第3回目

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プリウレ サン ジャン ド ベビアン/プリウレ サン ジャン ド ベビアン

≪ダブルゴールド & ダイヤモンドトロフィー & The Best Women Winemaker 受賞ワイン≫

「第3回目の受賞者は、フランス ラングドッグの生産者、カレン・ターナーさんです。

オーストラリア人の彼女は、もともとお医者さんだったのですが、“フランスでワイン造りがしたい”という思いから、なんと単身フランスへ。
何もアテが無い状態でフランス各地で修行を続けた後、ラングドッグにあるワインの会社にお勤めするようになり、今の旦那さまと出会って結婚します。

彼が小さな畑を持っていたことからワイン造りを始めるのですが、ラングドッグはよそ者を簡単に受け入れない地域であったことから、とても苦労されていたそうです。
そんな時この賞を受賞。これをきっかけに、ラングドッグの人間として地方の人たちから受けられるようになる、と語ってくれました。」
                  
                  

第4回目

15401セラー ロナデレス/ヴィン・イ・レジェンデス

≪ダイヤモンドトロフィー& ダブルゴールド & The Best Women Winemaker 受賞ワイン≫

「第4回目は、男性でも厳しい栽培環境である、スペインのプリオラートの女性醸造家エバ・プリムさんが受賞しました。
プリオラートで初めての女性醸造家ですし、まだ30歳代の若い女性。私も最初は“こんなところで女性がワイン造りを!?”と、驚きましたね。

思い出深い出来事なのですが、彼女は授賞式で号泣してしまったんです。
集まった人たちも、みんなもらい泣きしてしまうほどに、感動的な授賞式となったことは忘れられません。」
                 
                 

第5回目

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フィンカ ラ セリア/タマリ マルベック スペシャル・セレクション 2017

≪ダイヤモンドトロフィー& ダブルゴールド & The Best Women Winemaker 受賞ワイン≫

「第5回目の受賞者は、アルゼンチンの生産者アンドレア・フェレイラさんでした。

実は、この賞が決まるのが2月下旬、授賞式が3月上旬のため、アナウンスから10日ほどしか時間がありません。
さらに、アルゼンチンは南半球ですので、とても忙しい時期。

それでも彼女は、“自分がやってきたことを認められたのは初めてだから”、ということで社長にお願いして、タイトなスケジュールの中、授賞式にいらしてくれたんです。
20年間の下積み時代を経てチーフワインメーカーとなった、自分の人生は間違っていなかった、と語ってくれました。」
                 
                

前編まとめ

                   
受賞された女性醸造家それぞれにエピソードがあり、彼女たちの人生物語や喜びの声を聞けることがとても嬉しいという田辺さん。


中編では、さらにサクラアワードについてお聞きしていきます。
                
               

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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