【株式会社アロマビット協力】やはりワインは“生き物”だった!ワインの経時変化の測定結果に要注目!!|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

ワインの楽しみ方

【株式会社アロマビット協力】やはりワインは“生き物”だった!ワインの経時変化の測定結果に要注目!!

              
時間の経過における、ワインの風味の変化。

“ワインは生き物”と言われるように、その保存状態によって大きく酒質が変化してしまう、デリケートなお酒のひとつです。

だからこそ、ワインの保存状態については有識者の間でさまざまな議論が未だ繰り返されているのですが、個人的に注目すべきは“ワインを抜栓した後の風味の変化ではないか?”と考えています。

ワインが空気中の酸素に触れると液体内の成分と結合するなどし、香りや味わい、口当たりなどに変化があらわれます。
しかし、具体的にワインはどのようなカタチで経時変化していくのでしょうか…。

そこで今回、いつもお世話になっている「株式会社アロマビット」に協力を仰ぎ、ワインを抜栓した後、時間を追うごとにどのような変化が起こっているのか、アロマコードを使って調査していただきました。

ワイン初心者の方のみならず、ワイン業界の方にも見てほしい結果となっています。ぜひ、チェックしてみてください。

              

14498※ 株式会社アロマビットについてはコチラ
                  
                

今回使用したワイン&調査条件

14432              
今回、ワインの経時変化に使用したワインは、南アフリカの名門ワイナリー〈ボッシェンダル〉の、「ボッシェンダル シャルドネ」
ヴィンテージは2014年で、品種はシャルドネ、アルコール度数は14%というスペックの白ワインです。

また、今回は手始めの調査ということで、こういった条件で調査をお願いしました。

☆抜栓後、常温で保存したワインの経時変化(測定時、室内はクーラーをつけていたが、夜間はつけていないため、平均気温は25℃から30℃と思われる)

・開封直後
・1.5時間後
・3時間後
・6時間後
・1日後
・3日後

☆冷蔵庫で保存しているワインの経時変化

・6時間後(冷蔵庫で保存してから)
・1日後
・3日後

要するに、常温で保存した場合と冷蔵庫で保存した場合、それぞれ抜栓後にどのような変化が起こっているのか、ということを調査してもらいました。(コルクとスクリューなど、細かい調査は後日してみたいと考えています)
               
                

14500                 
                 

測定方法

「ボッシェンダル シャルドネ」を20ml(サンプル量は15ml)のサンプル瓶に入れ、専用機器を使用して測定してもらいました。
              

14433測定方法は、画像のようにサンプル瓶をセンサー前に静置して嗅がせます。

測定は1回につき40秒で、最初の15秒は測定環境のベースラインを取り、次の5秒間に匂いを嗅がせ、残り20秒はニオイをリセットするため何も嗅がせずに置いています。

ワインをバイアル瓶に入れて常温保存したもの、冷蔵保存したものの経時変化を測定してもらいました。
             
              

アロマコードの見方

14643今回の測定結果は、ニオイを可視化できる「アロマコード」で確認します。※1

見方はシンプルで、アロマコードの上部分がフルーティ、爽やかさ、または酸などを思わせる香り成分、下部分が発酵臭やアルコール臭を思わせる成分が強い、ということを解釈します。
               

ただ、丸の大きさは香りの強弱というより、バランスの差であり、上部分が大きく、下部分も大きくなっている場合、香りが強いのではなく全体が同じようなバランスで香っている…と考えてください。

では、どんな測定結果が出たのか、ここでチェックしていきましょう。
             
               

測定結果 〜常温保存〜

■開封直後
             

14435         
開封直後のワインは、フレッシュな酸を思わせるニオイが強い、という結果になりました。
発酵臭は反応が弱く、フルーティーさが際立つ香りが目立ちます。
           

■1.5時間後

14437             
1.5時間後になると、こんどはフルーティーさの酸は開封直後より穏やかになり、発酵臭を思わせる香りが強くなっています。
もちろん、フレッシュさもある程度感じさせますが、開封直後と比較するとやや穏やかであり、全体的に落ち着いた印象があります。


■3時間後

14460              
3時後になると、発酵臭を思わせる部分が目立つようになってきています。
全体的にフレッシュな香りが少なくなっていますが、一部何らかの酸を思わせる香りは残っているようです。


■6時間後

14461               
6時間後、ワインは発酵臭を思わせる香りがより強くなり、フレッシュさや酸を感じさせる香りはもっとも穏やかになってきています。
アルコール発酵によって生み出される第2アロマ、瓶熟成などで生まれると言われている第3アロマが、ここで主張してくるようです。


■1日後

14463             
さて、抜栓から一夜開けたワインはどうなっているのでしょうか。
ここで興味深いのが、酸を思わせる香り、発酵臭を思わせる香りの両方がやや強めに反応している、ということです。
比較的、酸を思わせる香りの方が強めですが、空気中の酸素と液中の成分が反応した結果、あらわれた香りかもしれません。
前日のワインに比べると、明らかに全体の数値も高まっています。


■3日後

14465                
3日後になると、ほとんど香りは平板になっていることが分かります。
バランスは良いようですが、何となく個性の無い香りになっている可能性があるところが面白いところです。
ただ、グラフを見ると酸やフレッシュさを思わせる香り成分が高い部分があります。全体のバランスからは、やや酸味のあるような香りになっているのではないでしょうか。
              
               

測定結果 〜冷蔵庫~

■冷蔵6時間後

14466            
6時間、冷蔵されたワインを抜栓させたものは、比較的酸やフルーティーさを感じさせる香りに強い反応があらわれています。
ただ、発酵臭を思わせる部分も弱いわけではなく、バランスは良い状態と言えるかもしれません。


■冷蔵1日後

14467              
冷蔵して1日経ったワインは、かなり発酵臭を思わせる部分が強調されていることがわかります。
酸を思わせる香り部分はグラフを見る限り、さほど抜栓6時間後と変わっていないのですが、その分、発酵臭を思わせる香りが強くなっているので、まろやかで落ち着いた印象になっていた可能性があります。


■冷蔵3日後

14469               
冷蔵して3日後の測定結果を見ると、全体的に平板な香りになっており、グラフを見る限り元気がなくなっている…という印象です。
ワインを購入して数日後、「何となく、香りがなくなってきたな」と、思ったことがある方もいるかもしれませんが、確かにハッキリと香り成分が減少していることがわります。
              
               

思わぬ共通点

14497             
今回、「株式会社アロマビット」の皆さんに常温と冷蔵保存したワインの経時変化を測定してもらいましたが、測定後に思わぬ共通点が見つかりました。

それが、冷蔵した1日後のワインと、抜栓後に香りが落ち着きはじめた常温保存の1.5時間後、3時間後の香りの状態と似ている、ということです。
              
              

14472              
つまり、長期的には厳しいですが、やはり冷蔵保存におけるワインの劣化はある程度抑えることができる、ということにも繋がるかもしれません。

当たり前のことかもしれませんが、実際にこのように測定してもらったことで、ワインの保存には気を使うべきだな、と改めて感じることができました。
             
             

さまざまな調査に応用可能か!?

今回、「株式会社アロマビット」の協力で常温のワイン、冷蔵したワインの経時変化について調査しました。

大昔から言われていることですが、この測定結果を見る限り、やはりワインは「生き物」だったことがよく分かりました。
               
                 

14496また、今回の測定結果によって、

・赤ワインならどうなのか?

・コルクとスクリューキャップならどうなのか?

・常温でも、25℃と15℃であればどうなのか?

・品種によって変化の仕方が変わるのか?

・横に寝かせる、縦に置くで変わるのか?

・蛍光灯を浴びているワイン、暗闇で保存されたワインで変わるのか?

・振動を与えたワイン、そうでないワインはどうなのか?



など、とにかくさまざまな可能性に発展させることが可能であることもわかりました。

定説で言われていることを、真剣に調査してみる。

今後も、ワインにおける“当たり前”を疑い、さまざまな角度で追いかけていきたいと思っています。

※1
「ニオイセンサーによるニオイの可視化と官能試験との相関性」




【ご参考】

■株式会社アロマビット
              
              

関連コラム

          
ワインの香りを可視化できる!?ワインファン注目のサービスを展開する企業「株式会社 アロマビット」にインタビュー!

香りが”見える”飲み比べセット!?~アロマビットとの共同企画によって生まれた画期的なワインセットをご紹介!
              
エレガントな味わいが魅力!南アフリカ「ボッシェンダル」の醸造家リゼル・ガーベル女史 来日セミナーをレポート!
              

caveおすすめのワイン
CAVE THE SELECT
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。

The following two tabs change content below.
ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

関連記事