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豆知識

シラーを飲んでみよう!

          
フランス ローヌ地方、そしてオーストラリアやカリフォルニアなど、世界各地で人気を博している黒ブドウ品種シラー(オーストラリアではシラーズと呼ばれている)。

カベルネ・ソーヴィニョンにも負けない深いガーネット色に果実味、コショウを思わせるスパイシーな風味が特徴の個性的な品種です。

さて、そんなシラー。
オーストラリアワインやローヌのワインが大好き、という方は別として、ワインを飲み始めたばかりの方にとっては、まだまだ未知のブドウ品種かもしれません。

「カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、ピノ・ノワールは良くお店で飲むけど、シラーを好んで頼むことは少ないなぁ…。」

こんな方のために、今回はシラー(シラーズ)について基本情報を紹介します。
            
               

シラーって何?

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シラーは、フランス コート・デュ・ローヌ地方を原産地とする黒ブドウ。
コート・ロティはじめ、シャトーヌフ・デュ・パプなどローヌ渓谷では高級ワインの原料として重宝されています。

房は円筒形で大き過ぎず小さ過ぎない中程度の大きさ。果粒は卵形をしており、実は小さめで、やや青みがかった色合いが特徴です。

シラーは温暖な気候を好む品種(日照量が重要)。
フランスだけではなく、遠く離れたオーストラリアのバロッサ・ヴァレーやカリフォルニアのパソ・ロブレスなどで成功を収め、今や世界中で栽培される人気品種となりました。

シラーの起源には諸説あるようですが、1998年にDNA鑑定の結果、フランスで栽培されている黒ブドウ「デュレーザ」と白ブドウ「モンドゥーズ・ブランシュ」の自然交配で生まれた品種であることが判明しています。

ブドウの歴史探訪がお好きな方は、これら親ブドウ品種について調べていくとシラーの秘密が解明できるかもしれません(ここでは言及しません)。
              
              

シラーの特徴は?

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シラーの特徴は、何といってもその香り。
パンチ力のある、あのスパイシーな香りは一度嗅いだら忘れることはできません。

ただし、その奥に熟したベリーだったり、ピノ・ノワールを思わせる華やかでエレガントな香りを有するような、繊細な一面を持ち合わせています。

レバーなどの獣肉を想起させる野性的な香りに、インパクトを与える強靭なタンニンを持つタイプ。

野性味が抑えられた、華やかで緻密なタイプ。

シラーは、インパクト重視の品種だと思われていますが、栽培されている土地や醸造家のスタイルに合わせて変幻自在に姿を変化させる、ユニークなブドウでもあるのです。
              
                

クール・クライメット・シラー

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シラーについて、“温暖な気候を好む”と前述しました。しかし近年、糖度を主役にしたボリューミーなシラーではなく、風味を重視させた「クール・クライメット・シラー」がトレンドになってきています。

クール・クライメットとは、“冷涼な気候状態”というニュアンスで使われているようですが、要するに「冷涼な気候条件で栽培されたシラー=クール・クライメット・シラー」と覚えておいて問題は無さそうです。

気温が高いと糖度がグングン成長するため、アルコール度数&果実味がどっしりしたボリューム感のあるワインができあがります(その傾向にある)。

しかし、アルコール度数が高いと他の風味がマスキングされてしまい、繊細さが楽しめません。

冷涼な地域の場合、ブドウの糖が上昇し過ぎずほど良く成長していき、フェノール(風味を良くする)の成熟度が高い状態で収穫できる…というわけです。

さらに、クール・クライメット・シラーが好まれる理由があとひとつあります。
              
                

ロタンドン

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シラーの個性は、そのスパイシーさにあり、その鍵を握るのが“ロタンドン”という化合物です。

コショウやスパイスを思わせる香りの物質であるロタンドンは、コショウはもちろん、ローズマリー、ゼラニウムにも含まれていますが、2008年にオーストラリアの研究グループがシラーにも含有されていることを発見して話題になりました。

さらに、温暖な地域で栽培されたシラーではなく、冷涼な地域で栽培されたシラーに多く含有されていることも判明。

クール・クライメット・シラーは、ロタンドン含有量が比較的高めになるため、よりシラーが持っているポテンシャルが楽しめるワインが造られていると考えられます。

あまり難しいことを考える必要はありませんが、大手グループの造るボリューミーなシラーと、クール・クライメットな条件で造られているシラーを飲み比べてみると、その違いが楽しめるかもしれません。
                 
                

ローヌ地方のシラーから始めてみよう

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シラーと言うと、ボリューム感と果実味が充実した赤ワインというイメージがあったと思いますが、お伝えしたように、いろいろなスタイルがあることが分かります。

シラー100%で造られている赤ワインもありますが、高級ワイン産地の北ローヌのヴィオニエなどでは、白ブドウがブレンドされているものが多くありますし、南フランスや新世界ではブレンド用に使用されることもあります。

ちなみに、日本でもシラー種から造られているワインも増えてきていますし、“これだ!”と思えるシラーと出会える選択肢は多いようです。

ワインファン(マニア)の方は、すでにさまざまなシラーを探訪しているでしょうが、「シラーを飲み始めてみたい!」という方はまずはフランス ローヌ地方から始めてみましょう。

それを軸に、いろいろなスタイルのシラーと触れ合ってみると、どんどん世界が広がっていくはずです。

簡単ではありますが、“カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、ピノ・ノワールではない赤ワインも飲んでみたい”という方は今回の内容を参考にシラーをお試しください。

ちなみに、カリフォルニアで栽培されている、プティ・シラーは、DNA鑑定で血縁関係あるとわかっていますが、別に小さなシラーという意味ではありませんので、あしからず。
                 
                  

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ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

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