数年後のボルドーワインの価格が予想可能!?物議をかもした「アッシェンフェルターのワイン方程式」とは?|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

豆知識

数年後のボルドーワインの価格が予想可能!?物議をかもした「アッシェンフェルターのワイン方程式」とは?

                 
自分の手元にあるボルドーワインは、10年後どのくらいの価格になっているだろう。

年代物のボルドーワインを手に入れたことがある方であれば、そのワインの価値が数年後どのような価値を持つのか、気にしたことがあるでしょう。

「もし、そんな未来が予測できるのであれば、今すぐにでも知りたい!」。

仮にこう思っている方がいるとするならば、おすすめしたい方程式があります。

それが、「アッシェンフェルターのワイン方程式」です。

この方程式の発表当初、ワイン評論家を怒らせたことで知られており、そのユニークさから、世界各国の数学者の間でも大きな話題となりました。

少々、数学的な話になりますが、息抜きがてらお読みください。
                  
                    

ワイン好きの経済学者がつくった方程式

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「アッシェンフェルターのワイン方程式」を導きだしたのは、アメリカ・ニュージャージー州のプリンストン大学で経済学を研究する、経済学者オーリー・アッシェンフェルター教授(以下、教授)。

教授自身、無類のワイン好きだったことから、ボルドーワインの価格予想に挑戦し、結果、世にも珍しい「アッシェンフェルターのワイン方程式」を完成させました。

「アッシェンフェルターのワイン方程式」は1980年代に発表されたものですが、1990年代で、ニューヨークタイムズが取り上げたことで大きな話題となったようです。

ワイン関係者(批評家たち)から大批判を浴びますが、この方程式も少なからず間違っていないことが後に判明し、今もなお一部の人たちはこの方程式に注目しています。

私たちのワインライフにどのような影響があるかはわかりませんが、知っていて損はない方程式でもあるので、ぜひ興味がある方は読み進めてみてください。

ちなみに「アッシェンフェルターのワイン方程式」は、銘柄や希少価値、造り手の哲学など、細かな部分の価格が予測できるというよりは、「○○年のボルドーワイン」と全体的な価値が予測できる、という方程式ですので、「製造元のシャトーによって全然違うじゃん」というのは今回はナシでいきましょう。
                    
                   

方程式のポイントは4つの要素

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今回、「アッシェンフェルターのワイン方程式」をとてもわかりやすくまとめていた、「Newtonライト『統計のきほん』」(ニュートン別冊)の内容をベースに紹介していきます。

まず、教授はさまざまな要素からボルドーワインのワインに大きく影響する(相関関係にある)4つの要素を発見しました。

それが…

A.「収穫前年の10月~3月の雨の量」と価格

B.「収穫年の8、9の雨の量」と価格

C.「収穫年の4~9月の平均気温」と価格

D.「ワインの年齢」と価格


の、4つ。

ちなみに、“相関関係にある”とは、要素Aの値が大きくなることで要素Bの値も大きくなる「正の相関関係」、要素Bの値が小さくなることで要素Bの値も小さくなる「負の相関関係」があることを言い、これらのどちらにも当てはまらない場合は、「相関がない」ことになります。

この4つの要素には相関関係があることを発見した教授は、この相関関係を軸に価格予想の方程式(回帰式)を導き出しました。
               
                 

実際にどんな相関関係があるの?

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では、この4つの要素にどのような相関関係があるのか見ていきましょう。

A.「収穫前年の10月~3月の雨の量」と価格
☆ブドウを収穫する前年の冬の降水量が多いほど、ワインの価格は高くなる傾向がある(正の相関)。

B.「収穫年の8、9月の雨の量」と価格
☆ブドウが育った夏の降雨量が多いほど、ワインの価格は低くなる傾向がある(負の相関)。

C.「収穫年の4~9月の平均気温」と価格
☆ブドウが育った夏の気温が高いほど、ワインの価格は高くなる傾向がある(正の相関)。

D.「ワインの年齢」と価格
☆ワインが造られてから長期保存されているほど、価格が上昇する傾向がある(正の相関)。
                
               

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ワイン業界の方はもちろん、ワインファンであれば「確かにね」と、納得いただける相関関係にある要素だと思います。

そして、この要素から教授はさまざまな数学的アプローチを駆使し、ついにボルドーワインの価格を導きだす方程式を構築します。その価格予想式が…

☆【収穫前年の10月~3月の雨の量】×0.00117-【収穫年の8、9の雨の量】×0.00386+【収穫年の4~9月の平均気温】×0.616+【ワインの年齢】×0.02358-12.145=ワインの価格を示す指標

ちなみに、このワインの価格とは、「対象となるワインの競売価格」を世紀の当たり年と言われている「1961年の競売価格」で割った際に出た、自然対数。

つまり、この方程式で導きだされた「ワインの価格を示す指標」が0となった時に、1961年に生産されたワインの競売価格と同じくらいとなり、0より小さな数になれば1961年に生産されたワインより競売価格が安いワイン、となるのです。
                
                  

1983年当時の1971年のワインの値段は?

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「Newtonライト『統計のきほん』」(ニュートン別冊)では、方程式の提示だけでなく、実際に教授の論文から、1983年当時の1971年のワインの価格を示す指標の計算を紹介しています。

1971年産のボルドーワインの情報は、

A.「収穫前年の10月~3月の雨の量」→551mm

B.「収穫年の8、9の雨の量」→112mm

C.「収穫年の4~9月の平均気温」→16.7667℃

D.「ワインの年齢」→12年


これを、あの方程式に当て込むと…

551×0.00117-112×0.00386+16.7667×0.616+12×0.02358-12.145=-1.3214(ワインの価格を示す指標)

つまり、この計算では、1961年に生産されたボルドーワインの価格の4割ほどの価格になるという結果。

そして、実際の1983年当時の1971年のワインの価格を示す指標は、およそ-1.3。

ことから、この方程式はあながち間違ってはいなかった、ということが示唆されたわけです。
                
                 

時間がある人はチャレンジしてみては?

              
ここでは、「アッシェンフェルターのワイン方程式」について紹介しました。

よく“ワインにのめり込んでしまう”、なんて方がいますが、こういったのぶっ飛んだのめり込み方もあるんだな…ということがよくわかる内容だったと思います。

ひとまず、ボルドーワインにおける前述した4つの要素がわかれば、ある程度発売前のボルドーワインの価格を示す指標が導きだせるかもしれません。

情報を集めるのが大変だと思いますが、ぜひ時間がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


【ご参考】

BORDEAUX WINE VINTAGE QUALITY AND THE WEATHER


Predicting the Quality and Prices of Bordeaux Wine*

Newtonライト『統計のきほん』(ニュートン別冊)

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