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たくあんと赤ワインの相性について

以前、とあるサイトに全国の男女100人を対象にした、「自宅でワインを飲む時のお供は?」という調査報告の記事が掲載されていました。
調査結果はチーズが圧倒的に多く、次いで生ハム、ドライフルーツ、チョコ、スナック菓子…と、続いていました。

ワインと何を合わせようが個人の自由ですが、いつかこのランキングのトップにこんなワインのお共が登場する日が来るような気がしてならない、そんなおつまみがあります。

それが、“たくあん”です。

さらに、合わせるワインは、ピノ・ノワールのワイン、またはキャンティなど、酸がしっかりとしてタンニンが穏やかな赤ワイン


「たくあん?しかも、赤ワイン!?き、気持ち悪ぅ…」と、思われた方もいるでしょう。私たちも、全く同じことを思っていたのですが、意外や意外、これが“合う”のです。

実は、漬け物とワインは合わせ方によっては相性が良く、この組み合わせを提案している飲食店もあるほどです。
ここでは、ワインとたくあんの相性の良さ、これをレポートしていきます。
              
               

たくあんはワインに優しい?

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赤ワインとたくあんのマリアージュが想像しにくい要因に、漬け物特有の醗酵由来の香りや独特な酸味がワインと喧嘩するのではないか、というイメージがあります。

「漬け物の臭みを赤ワインが増幅させ、口の中が漬物樽のようになりそうだ…」なんて、想像しただけで眉間にしわがよりそうですが、実はそんなことはありません。
               
               

13336たくあんは、乾燥させた大根を米麹と塩を混ぜた床の中で漬けてつくる糠漬けの一種です。
しかし、ほかの糠漬けに比べると米麹を使用する量が少ないため、乳酸菌がさほど増殖しない、という特徴を持っています。(白ワインは乳酸との相性が良くないと言われています)

さらに、大根が持つ辛味成分も、硫黄化合物の元を大量に有していることから、それら硫黄化合物の生成により辛味が分解されまろやかな味わいになります。(ドライなワインは辛味と合いにくい)

やや古い情報ですが、日本食品工業学会誌に掲載された「新漬け沢庵の特有香」によると、たくあんには、「エタノール,2-メチルプロパノールなどのアルコール類」や「2-メチルプロピルアセテートなどのエステル類」、「含硫化合物」など、ワイン同様にさまざまな香りが含まれていると示唆されています。

以前、日本酒の老香の原因であるジメチルトリスルフィド (DMTS)について取材しましたが、これは日本ワインにも含まれている香りとされているなど、たくあん自体、ほかの漬け物と比べると、ややワイン寄りの存在であることがわかります。(過去のコラムはこちら
            
              

赤ワインのおかげで口の中がサッパリする

13339小難しいことを考えずに、「同じ醗酵食品コミュニティだから、合う」という考え方でもいいでしょう。とはいえ、同じ漬け物でも赤ワインと相性がよろしくない物もあります。

唐辛子の風味をくわえたもの、妙に水っぽいもの、青臭過ぎるもの…。これらは、やや厳しい相性となります。
たくあんに関しても、地域で漬け方が千差万別なので一概に、“全てのたくあんと相性が良い”とは、言い切れませんが、たくあんの甘み、旨味、柔らかな酸味、醗酵特有の香りはなぜか、赤ワインを邪魔しません。

特に、キャンティやピノ・ノワールなど、香りがチャーミングでタンニンが落ち着いた赤ワインは、たくあんを食べた後に口内で残る醗酵臭さを、“スッと”消し去ってくれます。
香りが重厚でタンニン量が多い赤ワインの方がいいのでは?と、思うのですが、それだと赤ワインの主張が強過ぎてしまい、個人的には“合う”…とは思えませんでした。
           
                

罪悪感無し&グラスが進む!

たくあんをワインのお供にするメリットは何でしょうか。

まず、たくあんであれば、罪悪感がありません。
               
                

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ワインのおつまみは、脂肪分が多いもの、チーズなどそこそこボリュームがあるもの、やや高級な食材、オリーブオイルをたっぷり使ったもの(オリーブオイルの健康効果は広く知られていますが、当然、摂取し過ぎはかえって危険です)、塩味が強烈なものなど、我々日本人にはやや重ため、というものが多い傾向にあります。

もちろん、サッパリと罪悪感の無いおつまみもあるのですが、たくあんと勝負させれば、やはり後者に軍配があがるでしょう。当然、たくあんも食べ過ぎれば塩分過多で注意ですが、昔から食べ慣れているヘルシーな食品であることから、不思議と罪悪感を感じないのです。

さらに、良いのか悪いのか、たくあん自体が軽いおつまみなので、グラスがどんどん進んでしまうことです。

おつまみによっては、それ自体のパンチ力でグラスが進まなくなるものがあるのですが、たくあんなら、不思議と疲れずに赤ワインを飲み進めることができるのです。
              
               

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また、ビールは腹が膨れる、日本酒はアルコール度数も高く酔ってしまう、ということで“赤ワイン”というところもポイントかもしれません。

夜、ちょっとだけ赤ワインをつまみと合わせたい…という方や、仲間とじっくりワインを片手に語らいたい…ということであれば、「赤ワイン×たくあん」の組み合わせがおすすめです。
            
             

実はワインとたくあんは人気の組み合わせだった

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赤ワインとたくあんについて、少々熱を持ってお伝えしてしまいました。しかし、すでにこの相性の良さに気付かれている、という方もいるかもしれません。

実は、たくあんとワインが合うと発信している方も多く、この組み合わせを以前から楽しまれているようなのです。

山梨県にあるワイナリー「まるき葡萄酒株式会社」には、ぶどうの木を含むチップでタクアンを燻製『スモークド・タクアン』というアイテムがあります。
また、「有限会社だて・たいよう庵」という北海道の会社には、ワインエキスで仕込んだ『ワインたくあん』なる商品まであったようです(今はあるのか、わかりません。すみません…)。

ワインを購入しよう、と思った時に「たくあん」を紐付けてイメージする人はほぼいないと思いますが、ここまで読まれた方ならば、何らかの機会にきっと思い出してくれるはずでしょう。

まだまだ、私たちも「赤ワイン×たくあん」と出会ったばかりです。美味しい組み合わせがあったら、ぜひ教えてください。

情報、待ってます。



【ご参考】

まるき葡萄酒株式会社 『スモークド・タクアン』


においの豆知識(4)醗酵食品のにおい(1)-漬物の香味-

新漬け沢庵の特有香
              
            

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