アルコール依存症と「脳内報酬系」について|カーヴ(Cave) -ワインがもっと楽しくなる!日本最大級のワインのレビューサイト

豆知識

アルコール依存症と「脳内報酬系」について

近頃、“アルコール依存症”というキーワードが話題です。アルコールに限らず、何らかの依存症になってしまえば、自分の人生を潰すだけでなく、周囲の人たちにも多大な迷惑をかけてしまうことくらい、誰もが容易に想像できるはずです。

ちなみに、ワインに含まれているブドウ由来のポリフェノールの作用で健康効果が期待できる、認知症予防になる、若返る…など、ワインは何かと“健康”と結びつけられやすく、積極的に摂取されている方も多くいるようですが、ワインも立派なお酒。他酒と同様に、アルコール飲料です。

“ワインが大好き。だから、長く付き合っていきたい”。もし、アナタがそう考えているのであれば、アルコール依存症について考えてみてもいいかもしれません。

アルコールは、我々の身体にさまざまな影響を与えますが、中でも「脳内報酬系」と深く関係あると言われています。

ここでは、さまざまな資料を参考に、アルコール依存症について、アルコールを摂取した時の「脳内報酬系」と依存症の関係、なってしまった場合の対処法など、さまざまな角度からまとめてみました。

ぜひ、参考にしてみてください。
                      
                   

アルコール依存症には段階がある

13533まず、おさらいとしてアルコール依存症について考えてみましょう。
『厚生労働省・みんなのメンタルヘルス総合サイト』によると、アルコール依存症とは、“大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといられなくなる状態”と定義されています。

ちなみに、厚生労働省が推進する「健康日本21」の中では、アルコール依存症の発症リスクが少ない節度ある適正飲酒量を「壮年男性=純アルコール量換算で1日20g以下(ビール500ml、日本酒1合弱、25度焼酎100ml、ワイン2杯程度)」と示しており、それ以上の飲酒は、“飲み過ぎ”と判断されます。
そして、この飲み過ぎが習慣化していくと、男性であれば20年以上、女性はその半分の期間でアルコール依存症になると示唆されています。

となると、アルコール依存症は進行性の病気であり、ビールを飲んだその日から依存症になるとか、クラブで初めてテキーラを一気飲みした日から依存症になるとか、そういったことではないようです。
どうやらアルコール依存症は段階を経て、“依存症”へと辿り着くと考えられます。

では、まずアルコール依存症へとなる段階を見てみましょう。アナタは、一体どのレベルかも確認してみてください。

①飲酒習慣の開始
飲み会をはじめ、機会があるごとに飲み、酒に対する耐性(後述しますが、アルコールを含め、薬物なども摂取し続けると耐性ができます)が形成され、酒量が増加。また、気分を良くするために飲酒してしまう。


②精神依存形成
日常生活に酒が無いと物足りず、ほとんど毎日飲酒をしてしまう。また、ほろ酔い気分でも物足りなくなり、酒量を増やしてしまう。緊張をほぐすために飲酒する、記憶を飛ばすようになる。飲むために生活をしている、という状態になっていく。


③身体依存形成
酒を飲んでいない時、イライラしやすくなる。寝汗や微熱、下痢、不眠など、離脱症状が出現しはじめる。酒が原因で、仕事に遅刻したり休んだり、判断ミス、ケガ、病気などをするようになる。家族や周囲の人たちに酒量を減らせと言われ、少し酒量を減らす努力をする。


④酒絡みのトラブル増加
酒が切れている時、または二日酔いの朝の手の震え、恐怖感など離脱症状が出現。それらを抑えるために迎え酒をしてしまう。酒が原因のケガや病気、他人とのトラブルが増加する。飲むために嘘をついて隠れ飲みをする、酒を飲んでしまうことに後ろめたさを感じ、攻撃的になってしまう。


⑤アルコール依存症に
酒を飲まないと極度の不安に陥り、鬱状態に襲われる。ダメだとわかっていながらも、抑制できず酒を飲んでしまい、自分の力ではコントロールができなくなる。連続飲酒(※1)による発作発生、幻覚症状などがあらわれ、日常生活が困難になる。

※1 連続飲酒…連続飲酒とは、居酒屋で飲み続ける、というようなことではなく、一定濃度のアルコールを体内に維持しておくため、数時間おきに一定量のアルコールを飲み続けてしまう状態をいいます。“アルコールの飲酒量がコントロールできなくなってきた”、“飲む時間のコントロールができなくなってきた”などから始まり、最終的に前述したような状態になる状態です。

さて、どうでしょうか。自分もお酒が大好きでこの仕事をしているのですが、正直ある程度の段階まで来ているような気がしており、お酒に対する意識を考え直さなければ、と考えています。

もちろん、“自分は適正飲酒量だから、毎日飲み続けても依存症にならない”、というわけではありません。レベル1の習慣化が呼び水となりそうですので、1週間に1、2度は休肝日を挟んだ方がいいかもしれません。
                 
                 

注意したい、プレアルコホリズム

13541                 
さて、世間には、“酒豪”と呼ばれているような、お酒を多く飲んでいるのにアルコール依存症ではない、という方が多くいます。
そんな酒豪の中には、“酒が無いとちょっと震え時がある。パートナーや家族にも控えろと怒られるんだけど、まあ元気っちゃあ、元気だし、飲めちゃうんだよね”というような、アルコール依存症の一歩手前のような方がいます。

適正飲酒より飲酒量がはるか多い。他人にたまに酒関連で迷惑をかけている。でも依存症というわけではない。

いわゆる、グレーゾーンに位置する人たち。

WHOが策定するICD-10診断ガイドラインでは「有害な使用」、アメリカ精神医学会によるDSM-Ⅳ-TRでは「アルコール乱用」と呼ばれるものがあり、両者内容が多少は違うものの、さまざまな側面でアルコールによる害が発生している、ということでは共通しています。
グレーゾーンの方々は、これらを診断される可能性があるレベルにまで到達していると考えられます。

そして、グレーゾーンの範囲には、「アルコール関連問題を有するが、離脱症状も連続飲酒も経験したことがない」というレベルがあり、これに該当する方は、「プレアルコホリズム」と呼ばれます。

もし、連続飲酒や離脱症状は出ていないが、わかっていても会社を休むほど飲んでしまうとか、飲酒運転で事故を起こしても飲んでしまうとか、自分や他人を傷つけてしまい後悔するが繰り返し飲酒にしてしまったり、こういった状態の方は「プレアルコホリズム」の可能性が疑われます。

「プレアルコホリズム」は、アルコール依存症の一歩手前。
心当たりがある方は、一度専門医に相談して、対策を考えた方が良いかもしれません。
                   
                   

自分の意志ではどうしようもないのか?

13536                   
前述したようなアルコール依存症の情報については、テレビも度々取り上げられているほか、さまざまなサイトでも紹介されています。

それらを確認した後、“依存になったら、おしまいだな”と、適正飲酒を守っている方はもちろん、「プレアルコホリズム」の方も理解します。

飲酒量をコントロールできる人であれば、一度お酒との付き合い方を見つめ直し、良い方向へ舵をきることができるでしょう。

しかし、頭ではわかっていながらも、酒をいつも通り飲み始め、結果的に適正飲酒量を越えた多量飲酒に走ってしまう方も少なくありません。

なぜ、自力で飲酒量を調節できないのか…。

実は、アルコールは依存薬物に似た反応を引き起こします。

さらに、完璧に飲酒量を減らせる禁酒薬でもあればいいのですが、アルコールは脳内に複雑な影響与えるため、“これだ!”といった、明確な解決策がまだ確立されていない、というのが現実です。

とはいえ、近年の研究にて、ある程度アルコール依存症を引き起こす要因がわかり始めてきているので、不安な方はアルコールが脳に与える影響を多少知っておくだけでも、アルコールとの付き合い方が変わるはずです。

やや専門的な内容となりますが、ぜひ覚えておきましょう。
                  
                  

脳内報酬系(快感をもたらす神経系)

13523                   
アルコールを摂取すると、脳の網様体が麻痺し、大脳新皮質の活動が低下します、

大脳新皮質は理性をつかさどる、人を人たらしめる部位として知られていますが、この活動が抑制されると、今度は抑えられていた本能や感情をつかさどる、大脳辺縁系の活動が活発になります。

こういったシステムがあるため、我々はアルコール摂取により「本能的」な行動が増え、それを求めて酒を飲み続けてしまうのではないか、という考え方もあるようです。

また、アルコールはセロトニンの放出を促進し、不安や恐怖を抑制するなど、気分を落ち着かせる効果もある、と言われています。

これらがアルコールをついつい摂取し過ぎてしまう、という意見もありますが、依存症という問題に関しては、アルコールは“依存性薬物”と同じように扱われているようです。

その理由は、「脳内報酬系」または「快感回路」などと呼ばれる神経系が関係していると考えられているからです。

11054                  
「脳内報酬系」とは、欲求が満たされた時に活性化し、その個体に快感を与える神経系であり、アルコールを含めた依存性薬物のいずれも、これらを投与することで「快感」をもたらすという共通の特徴があります。

ほかにも、ギャンブルを止められない人や過食してしまう人、セックスをしていないと不安になる人、生活を破綻させるまでオンラインゲームに興じる人たちなど、これらの嗜癖行動に関わっていると考えられており、「依存症」にとって重要な神経系であると、古くから注目されています。

「脳内報酬系」による快反応を強化する神経回路で重要とされているのが、中脳にある腹側被蓋野(VTA)という場所。ここから、側坐核を経て、さまざまな場所に神経伝達物質ドーパミンが放出されます。

腹側被蓋野(VTA)がドーパミンを放出する軸索を伸ばしているのは、主に扁桃体(情動に関連している)、前帯状皮質(情動の中枢)、背側線条体(ある種の習慣の学習形式に関係していると考えられている)、海馬(記憶に関係する)、前頭前皮質(判断、計画を司る場所)などです。

我々が、何かを摂取した時や何かしらの行動を起こした時、「快い」と感じるポイントは、この腹側被蓋野(VTA)から放出されるドーパミンの働きが大いに関係している、と考えられています。
                   
                  

13546例えば、依存性薬物のひとつに「コカイン」がありますが、これを投与すると、ドーパミン放出が急速に増加し、強烈な快反応が生じます(負の側面が大き過ぎるので、絶対に使用してはなりません)。

コカインは少し言い過ぎですが、アルコールを摂取もこのドーパミン放出を増強させ、「脳内報酬系」に影響を及ぼすことがわかっています。

さらにアルコールは、脳内の内因性のモルヒネ、大麻などと呼ばれている、エンドルフィンとエンドカンナビノイドの分泌を促し、腹側被蓋野(VTA)のドーパミン・ニューロンの抑制を解除し、ドーパミン放出を増強させる、とも考えられています。

まず、アルコールを摂取することで、“酔う”という感覚だけでなく、“快楽を得られている”と感じるよう、システムされているわけです。
                    
                     

お酒をどんどん飲んでしまう理由とは?

                    
「脳内報酬系」が活性化した過去があっても、普通の人であれば、酒が抜けた後に飲まずにいられない、という状態にはなりません。

アルコール依存症になってしまう方々には、前述した「連続飲酒」など、大量飲酒が関連しているわけですが、なぜそこまでお酒を飲んでしまうのでしょうか。

それには、“耐性”が関係していると考えられています。

アルコールを長期的に飲んでいると、急性の強化効果や報酬効果が弱まることがわかっています。

例えば、「今晩は最高の酒を飲めた。こんな酒なら、毎日でも参加したい」。こういった経験をされた方は多いでしょうが、こういった経験から「アルコール=快楽」という構図が脳内で記憶され、アルコール摂取を条件付けに「今日もあの快楽を味わうべし」と欲求が生じ、足を飲み会へ向かわせます。

ここまでに何ら問題はありません。しかし、この快楽を求め、毎日かなりの量の酒を摂取していると、最初に感じた快楽レベルを、同様の酒量では感じられなくなってきます。

これが、耐性と呼ばれる状態です。

13547                 
脳は、我々が摂取するものや行動によって神経回路を変化させるなど可塑性と呼ばれる性質があり、毎日立て続けに摂取していると、同じ量では満足できなくなってくるわけです。
(薬物なども一緒)

「あの日のように、同じ快感を味わいたい。飲みたい…飲みたい…」。

飲めば飲むほど、耐性がどんどん高まり、飲まないと気分が悪くなり、イライラ、痙攣、発汗、吐き気など身体に悪影響が訪れます。

そして、さらに依存が進むと、アルコールへの渇望、つまり「アルコールを飲みたい」という気持ちが異常に高まってきます。そして、酒を求めて異常行動へ…。

こういった状況は、前述したドーパミン放出が関係していると言われており、ドーパミン放出が抑制(受け取って多幸感を我々に与える部位の不活性化など)されるなど、以前と同じ容量では満足できなくなってくる状態になってしまっている、と考えられています。

こうなると、ちょっとだけアルコールを摂取しただけでは満足できず、常に不快感に苛まれます。
アルコールを飲んでいないと不快感を感じ、結果的にそれを紛らわせるためには、連続飲酒しか方法がなくなってしまうのです。
ここまで来ると、もう自分の力では制御が難しく、周囲の協力、専門医の力が必要となります。

さて、ここでちょっとした疑問が出てきます。

“当初のようにハイな気分になりたい、とはいえ、飲みたくない日も出てくるし、そこまで酒を求めるかな?”という部分。

その通り。普通、“近頃、飲み過ぎだし、体調も悪い。いくら酒が好きとはいえ、今日くらいは控えておくか”と、誰もが、思うはずです。

しかし、飲んでしまう…。

実は、ここにとある、“記憶”が関係してきます。
                   
                       

アルコールはある特定の記憶を強化する

13538                    
以前、アメリカのアルコール依存研究施設「Waggoner Center」が、「アルコールを摂取することで、脳のある特定の分野の学習能力が向上。記憶の定着を促す」という研究結果を発表しました。

アルコールは一般的に学習、記憶を保持する能力を低下させるため、その時に話した、さほど重要でない話は忘れてしまっている、ということが多くあります。

しかし、私たちは潜在意識の上でも学習や記憶を行っており、アルコールにはその部分の能力は向上させる効果があるかもしれない、ということが確認できたのです。

前述したように、繰り返しアルコールを摂取すると、脳のシナプス可塑性が高まります。
すると、アルコールが引き金となり腹側被蓋野(VTA)からのドーパミン放出によって活動する部位のシナプスが増強され、それらが繰り返されている時に潜在意識が「酒を飲むことは報酬である」と学習・記憶。
要するに、繰り返し酒を飲むことには価値があるのだ、と潜在意識の上で学習してしまう、ということなのです。
                   
                    

13527                 
さらに厄介なのが、飲んでいる時の「雰囲気」「人との会話」「BGM」「におい」など、周辺環境についても記憶してしまうこと。
つまり、「今日は酒は止めよう。絶対に」と、強く神に誓っても、電車の中吊りで酒の広告を見たり、会社で居酒屋の話を耳にしたり、定時を知らせる音楽を聞いた時、焼き鳥のにおい、赤提灯、ネットで見たグルメ情報…など、強烈な誘惑が脳内の「酒はいいぞ!飲め!」という記憶を呼び起こし、結果、酒に手を伸ばしてしまうわけです。

もちろん、アルコールだけの問題ではなく、依存性薬物、ゲーム、ギャンブルもこれと回路は近く、ひとつのきっかけで全ての欲望が湧き出てしまう人もいます。

例えば、クラブでアルコールを大量飲酒し、薬物を投与し、女性と体を重ね合わせる、ということを止められない人たちは、ダンスミュージックを耳にしたら最後、明日朝早くから仕事だろうが何だろうが、クラブに足を運んでしまいます。

潜在意識の上で記憶してしまった以上、その記憶を強烈に刺激する“要因”を無視し続けることは、容易なことではありません。

これもまた、飲酒量を減少させるのが難しい理由のひとつ、と考えられているのです。
                     
                     

アルコールと上手に付き合うための対策を考える

13542                     
アルコール依存症の要因としては、ドーパミンのみが関係しているだけでなく、遺伝子、各種神経伝達物質など、脳の神経回路に複雑に影響を与えることがわかっています。

また、「報酬系回路」は、恋をしたり、美味しいご飯を食べたいと思ったり、仕事にやりがいを感じたり、我々の日常生活に密接に関係しています。

つまり、アルコールに依存から抜け出すために、関係している部位を不活性化すると、普段の生活に悪影響を及ぼす可能性があるところも、難しい部分とされているようです。

では、プレアルコホリズムだと思われる方、仕事中もお酒のことばかり考えてしまう方、上手にお酒を付き合っていきたい方など、どういった対策を講じればよいのでしょうか。

まず、アルコール依存症は誰でもなる可能性がある病気です。自分の意志で飲酒量が定められる状態であるなら、適正飲酒を心がけるしかありません。

家族、同僚、パートナーに「お酒を飲み過ぎないように、注意してほしい」と、ハッキリと伝え、周囲の意見にしっかりと耳を傾ける姿勢を見せましょう。
                   
                 

13530                 
アルコール依存症者は、自分が“それ”だと認められない、否認の心理が働くと言われています。どうしても自分では認められない、という方は健康診断による“数値”で現実を確認するのも良いでしょう。

γ-GTPの数値が高い、GOT/GTP比を確認した時に1に近い場合はアルコール性の肝障害を疑います。尿酸やHDLコレステロール・中性脂肪・血糖もチェックします。

これで異常が見つかった場合、面倒くさがらずに、専門医に相談すると良いでしょう。おすすめの医院を下記で紹介します。

また、ストレスを軽減させるために“酒に頼り過ぎない”、ということも肝心です。
ストレスから飲酒を続け、アルコール依存症になる方は多いと言われています。

長期間禁酒をしていながらも、ストレスが関係して飲酒をしてしまう場合もあり、それがまた連続飲酒時点とは比べ物にならないほど強烈な快楽を与えます。
                     
                 

13528                    
ストレスを軽減、激しい欲求を抑えるためには仏教の瞑想をベースにした瞑想法「マインドフルネス」が有効だと言われています。

繰り返さないといけない、という強迫観念に関連する脳領域「後帯状皮質」の活動が抑えられる、ということが明らかになっています。

ほか、どんなことでも構いません。

ご自身で認識しにくいかもしれませんが、「自分、危ないかもしれない」と思ったら、即座に対策を講じるべきでしょう。
                     
                     

自分の意志で止められないなら…

13524                       
自分自身で危険信号を察知し、それから対策を取れる方はまだいいかもしれません。

中には、“酒”という文字を見ただけで我慢できない、周囲に迷惑をかけているが飲み続けてしまう。多少、制御不能な状態に入っている方もいるでしょう。

自分の意志ではどうにもならない時には、同じ悩みを抱えている断酒会、「アルコホーリクス・アノニマス(AA)」グループなど、東京をはじめ全国にあるので、参加することをおすすめします。

他人の話を聞くことで勇気をもらい、お酒との付き合い方が良い方向へ進めるはずです。

また、近年アルコール依存症に効果があり、安全面でも認められている精神薬も増えてきているほか、脳の神経回路を修復する「経頭蓋磁気刺激法(TMS)」なども注目されています。

アルコール依存症をはじめ、多くの依存症は意志が弱い人間がなるもの、と思われていますが、“病気である”という認識を持つことが大切です。

ぜひ、本当に悩んでいるのであれば、専門医や専門機関に必ず相談することをおすすめします。
                      
                    

飲めることはイケてるわけではない

                      
「お酒強いね!」と言われると、いい気分になる方もいるでしょう。

正直、自分も悪い気はしませんでした。しかし、お酒に強いことが仇となり、さまざまなトラブルを起こしてきたことも確かです。

アセトアルデヒドを分解する酵素(ALDH2)の活性が高い遺伝子の高い方が、「酒に強い」とされているようですが、実はお酒に関連する自殺者の多くがこのタイプの方で、お酒を飲めない遺伝子型の方は自殺に防御的に働いている、ということがわかった研究もあります。

さらに、自殺者に占めるアルコール依存症の割合は気分障害に次いで高く、社会問題として扱うべきような問題でもあります。

たまには飲み過ぎてしまうこともあるでしょう。しかし、それを引き金に、毎日その快楽をアルコール量を増加させてしまってはいけません。

「俺の問題だから、放っておけ」と、思われる方もいるでしょう。しかし、アルコール依存症は、家族、友人、さまざまなコミュニティの仲間など、周囲の大切な人たちに多大なる悪影響を与えます。

前述した通り、ワインの適正飲酒量は1日2杯程度。
食事と合わせてゆっくりと楽しむには、十分過ぎる量なのではないでしょうか。

少々長くなりましたが、「アルコール依存症は病気である」と認識していただけたと思います、これからも、大好きなお酒と良い距離感で付き合っていきましょう。




【アルコール問題を抱えている方におすすめの医院

久里浜医療センター


【アルコホーリクス・アノニマスについて】

AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService –


【参照】

・厚生労働省・みんなのメンタルヘルス総合サイト

・アルコール関連障害と自殺 

・薬物依存の神経生物学的基盤

・快感回路 なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか-デイヴィッド・J・リンデン, ‎岩坂彰

・ナショナル ジオグラフィック 2017年9月号-「脳科学で克服する依存症」-

・アルコールと神経障害

・アルコール依存の生物学

・Can alcohol help the brain remember? Repeated ethanol exposure enhances synaptic plasticity in key brain area, study finds

・Weiss F, Hurd YL, Ungerstedt U, et al(1992) Neurochemical correlates of cocaine and ethanol self-administration. Ann N Y Acad Sci, 654 : 220-241.

・Hishimoto A, Mouri K, Fukutake M, et al(2010). Alcohol and aldehyde dehydrogenase polymorphisms and risk for suicide ; A preliminary observation in the male Japanese population. Genes, Brain and Behavior(2010, Epub).

・Koob GF, Roberts AJ, Schulteis G, et al(1998) Neurocircuitry targets in ethanol reward and dependence. Alcohol Clin Exp Res, 22 : 3-9.
                   
                   

caveおすすめのワイン
  • 「ワインを買う」という行為を少しでも、より楽しくできればと願い・・
    caveスタッフが厳選した、毎月オススメのワインをお送りいたします。

    これまで、「赤ワイン」「白ワイン」以上のことはあまり分からなかった方々。
    なんとなく「買っては飲んで」を繰り返し、結局自分が好きなワインは何なのか、いまいちわからなかった方々。

    そんな様々な「わからない」を解決するための特典を多数ご用意しております!
    「ワインを買う」という行為を少しでも、より楽しくできればと願い・・
    caveスタッフが厳選した、毎月オススメのワインをお送りいたします。

    これまで、「赤ワイン」「白ワイン」以上のことはあまり分からなかった方々。
    なんとなく「買っては飲んで」を繰り返し、結局自分が好きなワインは何なのか、いまいちわからなかった方々。

    そんな様々な「わからない」を解決するための特典を多数ご用意しております!
CAVE THE SELECT
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。

The following two tabs change content below.
ナカゴミ コウイチ

ナカゴミ コウイチ

山梨県出身、甲州ワイン育ちのフリーライターです。ラジオ関係、ファッション関係のライティングをしながら、大好きなワインのお仕事も精力的に行っています。ワインは日常的に楽しむ飲み物であるということを広く伝えて行くために活動を続けています。

関連記事